８月２８日
交遊録
オイラのことを、師匠と呼ぶ。
だから、必然として、弟子ということになる。
田植え、薪割り、草払い、なんでもやる。
風呂焚きも、漁の手伝いもする。
肩はもんでくれない。
そこまではしない。
☆
毎週、週末になるとやってくる。
汚れてもいいシャツを着てくるから、そのまんま
百姓だが、普段はダンディ。…らしい。
胸が厚く、背広が似合う。…らしい。
週末以外は、某有名企業のエライさん。…らしい。
いつも連れてくる美人は奥様。…らしい。
ふたりはときどきうちへ来て喧嘩をするが、
本当は仲がいい。…らしい。
見た目より年は食っているが、
まだ新婚。…らしい。
☆
琴海町にすでに土地を手に入れ、
家を建てる準備もしている。
チェーンソーの使い方、バックホウの運転も
体験実習し、田舎暮らし、やる気マンマン。
酒も負けずに飲むから、
資格も十分。
☆
夫婦ともイギリス暮らしが長いので、
アチラの事情に詳しく、話題も豊富。
話が面白いので、来ればついつい夜更かしの
二日酔いになる。
まだこんな時間だ、そんなに急いで帰らなくたって
いーいじゃねーか、とは言うけどさ、
師匠はトシなんだから、な。
ちっとは、考えろよ。
