７月２３日
交遊録
この人を悪友と呼ぶには少し気が引ける。
でも、いいや。この人は怒らないから、絶対に。
オイラの漁と畑の師匠だ。
この師匠がいなかったら、いまのオイラはない。
これははっきりしている。
それくらい世話になっている。
では、何故に悪友と呼ぶのか。
悪友というのは、わるいともだちのことだが、
「わるいことも共にするような親しい友人」
でもあるのだ。
法律で許されていない、ドブロクの作り方、その魅力を教えてくれた。
これは、わるいことである。
飲酒運転も、「よか、よか」と言う。
これも、わるいことである。
許されることではない。
☆
怒らない。人の悪口を言わない。
出しゃばらない。威張らない。
とことん優しく、底抜けに親切。
こういう人は、いままで生きてきた中で、オイラ、
ほかには一人しか知らない。
その一人は千葉にいるが、奇しくも年は同じ。
オイラ、なぜか、こういう人にめぐり会う。
オイラは、すぐ怒る。人を批評する。
出しゃばる。威張る。
好き嫌いが激しく、好きじゃない人には冷たい。
そんな自分が恥ずかしいから、
師匠のような人に憧れる。
「ワタシハ サトウサンノヨウニ ナリタイ」
と、いつも思っている。
いまさら、なれはしないけど、少しは近づきたいと思う。
師匠は、知恵の人である。
漁具、農具、なんでも自分の手で作り、
なんでも自分の手で直す。
近くにあるもので工夫して作り、
身の回りにあるものをうまく利用してなんでも修理してしまう。
知恵の引き出しを、たくさん持っている。
「ワタシハ サトウサンニ ナリタイ」
