A BAD FRIEND 平成14年
9月23日
ああ言わなくても
   交遊録
BAD9
これがオイラのバカ・トモダチだ!
きーぼう
住所・不定 年齢・不詳 職業・不明

まぶしいとき以外は、ギョロ目である。
ギョロ目の西川きよしに似てるので、仕事場では
上司から、「きーぼう」と呼ばれている。
5時を過ぎて夜のネオン街へ繰り出すと、
オネエサンたちからは、「えびさま」と呼ばれる。
12代目市川団十郎である。
7年前、オイラが新聞に載ったのを見て
訪ねてきた。
オイラも妻も、「団十郎が来た」と思って、
たまげた。
妙に気が合って、家族の付き合いになった。

二人で仲間を集め、
佐世保で行われていた、「夢のふねコンテスト」という
手作り船の競技大会に出場し、いきなりぶっちぎり優勝。
賞金30万円を獲得して、その晩みんなで飲んで騒いだ。
翌年もまた勝って2連覇。
ひんしゅくをかった。

オイラが選手、団十郎がマネジャー。
ふねづくりに100万円かかったが、マネジャーが
金をかき集めたので仲間の出費はゼロ。
団十郎、チカラがある。

チカラはあるが、ゴルフのボールは飛ばない。
がたいはでかいのに飛ばない。
いくら教えてもうまくならない。
でも、うどんをつくるのはうまい。
いいダシをつくる。

長崎の超有名企業に勤めていたが、最近、某病院へ
出向を命じられ、職場が変わった。
その病院が誰でも知ってる精神病院。
「最近、彼、見かけないね」
「あそこの病院に行ったらしいよ」
「あ、そう。とうとう入院させられたバイね」

「あそこのご主人、あの病院に通ってるんですってよ」
「まあ、気の毒に。そう言えば、ね」
などと、どんどん噂が広がって、
「金子さん、助けてくださいよ」と、
泣いている。