OH !JAPANESE オドロク尾戸録
声に出して言われてもワカラナイ日本語
その16
〔ぶつ〕
 いつまでも甘えてるんじゃないよ、と言われたわけではないんだけど、自分で判断して、ことしから田植えは友人に好意でやってもらうのではなく、お金を出して専門の人にやってもらうことにした。
 その人も地域の人だけど、大型機械を持ってあちこちの田を請け負っている。
 田植えをする前日、その人から電話が入った。
「あ、金子さん、ぶったね?」
「えっ、誰を」
「誰をじゃなか。○○をぶったかって」
「ぶたないよ誰も。誰とも喧嘩なんかしてないもん」
「そうじゃなか。肥料の○○をぶったかって」
「肥料? ああ、やった、やった。きのう、撒きましたよ」
「なら、よか。あしたは朝一番でやるけん。水ばぬいとって」

ぶつ…。ぶったか…。ぶっておけ…。
肥料を、「振るっておけ」ってことか?

バアサマの言い伝え(暮らしの知恵・格言集)
ニンジンは流れが過ぎてからつくれ。
 
「流れ」とは梅雨のこと。長崎の梅雨は何でも押し流すほど激しく降ることから流れというらしい。ニンジンは梅雨が明けてからつくれば失敗しないのだと、このへんのバアサマたちは言う。