OH !JAPANESE オドロク尾戸録
声に出して言われてもワカラナイ日本語
その21
〔すいとる〕
 「すいとるコンサート」というのが毎年一回、町のふれあいセンターというところで行われている。
 子どもたちのコーラスが主体の音楽祭らしいのだが、私はコーラスにはまったく興味がないので、いままで一度も顔を出したことはない。
 確か5年ほど前から始まったのだと思うが、当初から、「すいとる」という言葉が気になっていた。何を、「吸い取る」のだろう、と。
 そのコンサートに出ている子どもが近くにいるので思い切って聞いてみたら、「何も吸い取らない」と言う。吸い取らないのに、すいとる?
 そうか、分かった。空いてるんだ。お客が集まらなくて空いてても、めげずにコンサートをやるぞと、目的はお客じゃない、下手でもいい、唄うことが大事なんだよと、そういう意気込みでやるぞと、それですいとるコンサート?
 ブー! これも違うんだって。
 じゃ、何よ。
 「好いとる」が正解らしいんだな、これが。はっきり確かめたわけじゃないから本当のところは分からないけど、どうもこれらしい。
 「わたし、あんたのことすいとっと」と言えば、あなたが好きよということ。
 「この席、すいとっと?」と言えば、この席、空いてますかだし、
 「この席、とっとっと」と言えば、この席は私が取ってます、となる。
 石にけつまづいたときは、おっとっと。

 長崎を歩いてみれば、とっと、とっとの声がする。

 うーん、いま考えたんだけど、これ、使えるな。(禁無断転載)

バアサマの言い伝え(暮らしの知恵・格言集)
米は空鍋に入れるな。
 
葬式の時にやるからだって。
 お米をとぐときは、初めに水を入れてから、そのあとで米を入れなさいということ。「うちの嫁はやらんもんねえ」とバアサマは嘆く。でもさ、ふつう、米を先に入れないかい。あなた、どうしてます?