OH !JAPANESE オドロク尾戸録
声に出して言われてもワカラナイ日本語
その33
〔ひだるか〕
 「金子さん、ひだるかって分かります?」
 と、友だちのFちゃんからメールが届いた。
 Fちゃんはいまは東京に住んでいるけれども、元々は長崎の出身。
 だから、この「オドロク尾戸録」をよく見ていて、ときどき、自分が子どもの頃よく使っていたなつかしい長崎の方言を教えてくれる。
 
 ひだるか? なんだろう、分からない。まだ聞いたことないぞ。
 
 「空腹。腹が減った。ひもじいことを言うんですよ。この頃の子どもは言わんでしょうが、俺たちがガキの頃は一日に2回も3回も言ってたもんですよ」
 
 そうか。そう言えば、おいらも子どもの頃は、おふくろの顔さえ見れば、「なんかない? なんか食べるもんない?」って言ってたな。いつだって腹ぺこだったもんなあ。
 
 いまの子どもたちは、母親から、「食べなさい、食べなさい」と言われ、それでも食べないと聞く。それなのに肥満の子が多かったりするのは、なんなんだろうね。

バアサマの言い伝え(暮らしの知恵・格言集)
川になすびは持って行くな。
 
川に遊びに行くと言ったら、近所のバアサマに言われた。
 「茄子は河童の好物だから、悪さ好きの河童から水中に引き込まれっぞ」。
 へえ、そうなんだ。でもさ、河童の好物はきゅうりじゃないの。
 「きゅうりも好きだけど、茄子も好きさ。トウモロコシやごまも好いとっさね」。
 へえ、知らなかった。そうか、そう言えば川開きとか川のお祭りのときに、きゅうりや茄子をお供えするよね。あれは、河童様に差し上げるのか。