OH!JAPANESE オドロク尾戸録 金子農園
声に出して言われてもワカラナイ日本語
その6
〔ひざをたてる〕
 隣町に住む友だちの家に遊びに行ったときのこと。日が暮れて、飲んで行かんねと誘われて。イッパイ始めた。隣の部屋で、奥さんと二人の娘さん(小学生)が夕食。テレビの音に混じって、母と子の会話が聞こえて来た。
 「○○ちゃん、何度言ったら分かると。ご飯ば食べるときは、おひざ立てんね」 なぬ?!
 ご飯食べるときは膝立てろ、だって?
 そりゃ、ないんじゃないの。立て膝なんかしてご飯食べたら、オイラ、ぶん殴られたぜ、子どもん時、行儀が悪いって言って。
 そうか、ここはお隣の国の人なのか。でも、そんなこと聞いてないなあ。そうか、そうだったんだ。
 
 いやいや、あとで分かって驚きました。
 「ひざをたてろ」というのは、「正座をしなさい」という意味なんだって。
 ワッカンナイよなあ。ひざをたてる=正座。
 なんでそうなるの!

 しかし、考えてみると、「たてる」というのは、やたら難しいぞ。
 柱をたてる。手柄をたてる。埃をたてる。声をたてる。波をたてる。評判をたてる。役にたてる。面目をたてる。使いをたてる。志をたてる。暮らしをたてる。風呂をたてる。茶をたてる。支離滅裂じゃないの。
 えーい、こうなったら、ノコギリの目までたてちゃえ。 

バアサマの言い伝え(暮らしの知恵・格言集)
卯の日に田植えをしてはならん
 家族のものが怪我をしたり、病気になるというのだけれど、どうしてなのかが分からない。分からないけど、ことしも卯の日を避けて田植えをしたぞ。だから、ことしは、我が家では誰も怪我や病気をしないのだ。