DOCUMENT
都会の常識
田舎の非常識
田舎暮らしを夢見る人へのQ&A
58 献杯 
Q571:あれ、元気ないですね。どうしたんですか・ A571:二日酔い。


Q572:へー、珍しいじゃないですか。 A572:珍しかないよ。ときどきやっちゃうんだよ。もう二度とすまいと思っているんだけどね、いろいろとしがらみがあって。


Q573:誰と飲んだんですか。 A573:うん、きのう区長会があって、そのあと最後だからというのでお別れ会というか懇親会があって。


Q574:じゃあ、飲まされたんだ。 A574:そう。おれはさ、知っての通り酒は飲むけどさ、自分のペースでやりたいくちじゃない。さすのもさされるのも好きじゃない。でも、こっちのひとはさしつさされつ、それが正しい飲み方だと思っている。手酌なんて絶対しないし、させない。


Q575:相手に注ぐのが礼儀だと。
A575:そう。それでやられちゃうのよ。


Q576:断ればいいじゃないですか。 A576:それができないから困ってるんじゃない。夕べだって、料理屋の座敷でやったんだけど、座ってるところへ入れ替わり立ち替わり、注ぎにくる。もう出来上がってますからって言ったってダメ。杯を出して飲めと迫る。飲んで返せばまた出してくる。そいつがいなくなれば、つぎが来る。


Q577:そりゃ、たまらんですね。 A577:東京の地下鉄みたい。すぐつぎが来る。


Q578:で、飲み過ぎたと。 A578:飲み過ぎた。ま、飲んだのは自分だから、誰のせいでもないんだけどよ。


Q579:二次会は。 A579:これも腕を握られちゃって逃げられない。


Q580:じゃ、またそこで飲んで。
A580:二次会の後は、送ってくれる人たちがいて、こんどはうちで。結局、5時から始まって日付が変わって。