自給自足・半農半漁・晴耕雨読の物語
自給自足で


37 ウニのこと (捕り方とむき方)
 ウニを送ったら、東京世田谷のSさんが、メールで聞いてきた。
 「大変おいしくいただきました。
ところで、ウニはどうやって捕るんですか。
白装束に身を包んで海に潜って捕るんでしょうか」。
 高田馬場のがんちゃんも、聞いてきた。
 「ウニの身100gをとるのに、何個のウニが必要なのか。
20個ぐらいか」。
 そうだよな。東京の人間は、ウニを捕るところも見たことないし、
ウニの中身がどうなっているかなんてことも知らないもんな。 
 
 
じゃあ、教えてやろうじゃないの。
まず、捕り方。
白装束なんかまとわない。海にも潜らない。
いくら長崎だって、冬の海は冷たいよ。
船の上から箱眼鏡をのぞいて、
ウニ捕り用のかぎ竿で引っかけて捕る。
かぎ竿は自分でこしらえる。
風がなければ捕るのは難しくはないが、
風があると船が流されるので容易じゃない。
一発で仕留めないと、船が遠ざかってしまう。
そのかぎ竿で岩を押しながら進んで行くが、
風が強くなったらお手上げになる。
 
 つぎは、ウニのむき方。
いまは、いい用具がある。ハサミを反対にしたようなもので、
つかんだ手を締めると先が開くようになっているウニむき専用の
ウニパックリというものを、漁協で売っている。
ウニを裏返しにして腹の中央にそのウニパックリを突き刺し、
手を締めるとウニがパックリ割れる。
二つに割れたら、片方のトゲをつかんで強く振る。
振ると中のふん(だと思う)が飛び出て、ウニの身が見える。
それを耳かきのようなものですくい取る。
さて、ウニの重さだ。
いままで考えたこともなかったが、質問されたので測ってみた。
1個のウニに、身は5つ入っている。
大きさにもよるけれど、大村湾のウニはだいたいが小さくて、
平均して、1個のウニからとれる身は、2gといったところ。
したがって、10個で20g。100個で200g。
100gの身をとるには、50個のウニがいるということになるわけだ。
朝8時から昼の12時までウニ漁。
午後から夕方までウニむき。
夜は、パック詰めの作業が待っている。
これが、ぼくのウニ。