自給自足・半農半漁・晴耕雨読の物語
自給自足で


47 石窯のこと (パン焼き)

パンは自家製に限る。
自家製のパンを食べたら、
コンビニのパンなんか食べられない。
行列が出来るというパン屋さんのパンを
もらって食べたこともあるけれど、
うちのパンにはかなわない。
行列のパンはひとくち目はうまいのだけど、
三くち目になると飽きてしまう。
うちのパンは、いくらかじっても
飽きることがない。
自分で焼かないからどこに秘密があるのか
知らないが、でも、味は分かる。
親しくしている長崎の洋食屋のヨシ坊が
「うまか!」と折り紙をつけてくれるから、
ただの手前味噌ではないはず。
ただし、ヨシ坊のパンはもっとうまい。
ヨシ坊のパンにかなう者はそうはいない
と思う。

自家製パンの材料は、うちの畑で採れた南部小麦。
それを昔の脱穀機にかけて、石臼で挽く。
いままではオーブンで焼いていたが、
こんどから、石窯で焼く。
いままでより、もっとうまいと思う。
庭に、その石窯をつくった。


畑から掘りだした石を運び、
同じく畑を掘って集めた赤土を運び、
赤土を水で練ってドロドロにし、
石とその赤土を交互に積み重ね、
石窯をつくった。
と言葉で言えば簡単だけど、
これはなかなか根気のいる仕事ではあった。
外部はドロドロに練った赤土をペタン、ペタンと
打ち付けるので、顔も眼鏡もシャツもズボンも
跳ね返った土で泥だらけ。
夏の暑いさなか、毎日、これ。
文字通り、汗と泥が染みついて、
でもまあ、なんとか出来上がった。
材料費0円。

さて、どんなパンが焼き上がるか。