平成17年4月3日 Vol 123
よかさ!
三飲四酔
 雪国の春は、どういうふうにやって来るのだろう。
 ある日、雪が解けてパッと一気に春になるのだろうか。
 北海道の友だちは、「待ちに待った春が来たときの喜びは、待った分だけ喜びも大きい」と言っていたし、青森では、「梅と桃と桜の花見が一度にできるんだぜ」と聞いたことがある。どちらもなんとなく勢いがあるような気はするけれど、待ちに待ったということはそれだけ寒い季節が長いということだし、お花見だって3回できるところを何も1回で済ませなくてもいいんじゃないかとも思う。
 それに比べると、長崎の春はなんかだらだらしている。酔っぱらたオヤジのように、遠くの方からふらふらやってくる。なかなか近づかない。暖かくなったかと思うと突然、雪が舞ったり、寒いからと思って股引をはいたら急に5月の陽気になったり。きのうだって暖かくてやっと庭の桜が開き始めたと喜んでいたら、きょうは朝から雨だ。三寒四温で寒い日、暖かい日が続かない。お湯割りにするか、水割りにするか、こっちにも都合があるんだからさ、はっきりしてよと長崎の春には言いたい。
 3月は、いろいろな総会、決算会、役員会、送別会、卒業式、あっちからもこっちからもお呼びがかかって目が回るようだった。出かければ飲む量も増える。連日、あるいは一日おきの飲み会で、カンゾー休む暇なしの、「三飲四酔」。もう、毎晩ふらふら、毎朝ふらふら。
 

無罪放任
 小学校の卒業式にことしもよばれて行ってきた。卒業生は12名。二十四の瞳の小さな卒業式。全校で42名。送る5年生は3名だったから、来年は3名の卒業式になる。なんだか離島の小学校のようになってきた。
 6年担任の男の先生が涙を流していた。父兄もハンカチを出し、女子児童も泣いていた。過疎の田舎の小さな小学校ならではの、なかなか味のある卒業式であった。
 父ちゃんも3月いっぱいで区長の任期が切れ、やっとのことで無罪放免、卒業。
 自分なりにやることはやったので、君子さんと寿司屋で二人だけの卒業式。中トロ、アワビ、ウニ、ヒラメ、ヒラス、ミズイカ、アジ、アナゴ。思いっきり飲んで食って、ストレス解消。1年間、ご苦労さーん。
 ほんと区長はタイヘンだった。選挙で選ばれちゃったので、どうにも逃げようがなかったのだけど、もう、したくない。もう、放っておいてちょうだい。地域のまとめ役、そして地域と役場の連絡係。というか、ほとんど役場の非常勤雑用係長といった感じだった。まあしかし、お陰で地域のさまざまなモンダイを知ることができ、役場の職員ともほとんど顔なじみになって、それなりに収穫はあった。大変ではあったけれど、やってよかったのかもしれない。ということにしとこうか。

地震過剰
 長崎は地震の空白地帯だとタカをくくっていた。
 実際、11年間住んでいて一度も揺れたことがなかったので安心しきっていたら、グラッときたのでビックリ仰天、驚いた。
 まあ、被害はなかったからよかったのだけど、みしみしと家が音を立てた。たまたま家にいたのですぐテレビをつけたら、福岡で大きな被害が出ていた。福岡には何人も友だちがいるのであちこち電話やメールをしたがぜんぶ不通。1名以外はあとで連絡がついたが、福岡も初めての大きな地震でみんな驚いたようだった。
 数日後、新聞に30年以内に震度6弱以上の地震が起こる確率という記事が出ていて、長崎はその確率が0、1lだった。でも、最近は地震地帯じゃないところでやたら地震が起きている。ここだけはダイジョウブという地震過剰は禁物かも。 

仰天動地
 「全米放映の番組で、金子さんが出てきたのでびっくりしました」と、缶コーヒーの古里アメリカ・ジョージア州に住む友だちからメールが届いた。この前は、ブラジルとモンゴルからも同様のメールが来た。ついに父ちゃんも、『日本初の露天風呂タレント』から、『世界の』田舎暮らしの達人へと格上げになったらしい。ちなみに、世界の達人漁師の今朝の刺し網釣果は可愛いコノシロがたったの3匹。(二人暮らしだからじゅうぶんだけど)。
 そんな達人を取材したいというテレビがきょうも来た。去年とことしで合わせて14回。最近はすべてお断りしているけれど、近頃驚いたのは、バラエティと報道番組への出演依頼だ。いよいよ美人マネージャーをつけなければならなくなった。どなたか希望者はいないだろうか。会社組織にして、社名は、『カントリーライブドア』にしよう。そうだ、芸名も考えよう。どんな名前がいいだろう。うん、『カズエモン』なんてのはどうかな。 

天職人生
 『セカンドステージの達人たち』という本が芸文社から出た。著者は佐橋慶女さん。
 第二の人生を愉しんで暮らす人たち32人を紹介しているのだが、そのトップバッターに父ちゃんが出ている。本屋さんに寄ったら手にとって見てください。いや、父ちゃんの記事は読まなくていいんです。中程に、田口幸子さんというひとが紹介されています。その人のところを読んでください。強烈パワーに圧倒されること請け合い。タグチサチコ、父ちゃんの悪友です。