平成17年7月13日 Vol 128
よかさ!
船転覆
「大変だったですねえ」
「大丈夫だったんですか」
「よくまあ、ご無事で。みんなで心配してたんですよ」
 と、行く先々で声をかけられた。
「7月7日、外海で横波を受けて釣り船が転覆し、琴海町の何々さんと、何々さんと、金子さんの三人が岩場にしがみついているところを、ヘリコプターで無事救助されました」と、テレビのニュースで流された(らしい)。新聞にも出た(らしい)から、大変だった。父ちゃんは、テレビは見ないし、新聞も三面記事なんか読まないから、そんなニュースが流されたのはぜんぜん知らない。ぼうっとして町へ出て行って、あちこちから声をかけられ、なんのことやらさっぱり分からない。君子さんも、直売所や、福祉センターや、スーパーなどで声をかけられ目を白黒させて帰ってきた。よくよく聞いてみたら、そういう海難事故があって、その中に金子という人がいたらしいのだ。もちろん別人なんだけど、その名前だけを聞いて、「これは、金子さんに違いない」と早とちりした人が大勢いたのだ。ま、あり得ない話じゃないからね。
 初めのうちは、いやあれは私じゃないんですよと真面目に応対していたが、そのうち面倒になってきたので、この頃は、「はーい、死ぬかと思いましたよ」と、それらしい顔をつくっている。
 
ISDN
 山へ行ってきたとか、海外旅行をしてきたとか、孫ができたとか言って、メールにきれいな写真を添付して送ってきてくれる友だちがよくいる。それはそれでとてもうれしいのだけれど、実は、そのことで父ちゃん、困ってもいるとです。というのは、ここ琴海町は、町とはいうもののてんで遅れていて、インターネットの環境整備がまったく整ってなかとです。光ファイバーなんて夢のまた夢、ADSLさえ来てなかとです。いまだにISDNとです。だから、遅かとです。大きな容量の写真を送られてもなかなか出て来んで、イライラすっとです。こないだなんか、大容量の写真を送ってくれたひとがいて、1時間もじっと待たされたとです。
 だから、お願いです。大きな写真は送らんといてください。写真を送ってくれるなら縮小して送って下さい。間違っても動画なんかは送らんといてください。パソコンがぶっ壊れるとです。都会とは違うとです。
 で、これじゃいかんというので、町議員と区長さんに集まってもらい説明したとです。それで、町長に陳情に行くことに決めたとです。どうなるか分からんとですけど、いまどき、ISDNでのほほんとしてる珍しか町もあっとです。
 東京の食堂でマグロの刺身定食を注文したら3分で出てくるのに、琴海町の食堂でハマチの刺身定食を注文したら25時間待たされる。そんな感じです。ISDNは、つらかとです。 

男のイタリアン
 前回、料理用語が分からないと書いたら、いやいや、大変みなさまご親切で、たくさんのアドバイスをいただきました。ありがとうございました。
 面識のない方からも懇切丁寧にご教授いただき、感謝の念でいっぱいでございます。お陰様で、だいぶん勉強させていただきました。大阪のSさん、ありがとうございました。名古屋のTさん、サンキュウでした。
 それに引き替え、悪友どもの回答はなんだ! お前ら、いい加減にしろよ。
 コラッ、由香。「ビックリ水は、しゃっくりが出たとき飲むと治る水」だと。
 「粗塩は、それを腹にすり込むと出腹がへこむ」だと。いい加減なこと言うな。お前の出腹を粗塩で揉め! ついでに横腹も丁寧に揉め! 手が届かないっていうんなら、こんどうちへ来たときおれが揉んでやる。
 コラッ、クンセイ親父。「ケイパーはゲイバーのミスタイプだ」と。「タリアテッレはタ・リアテッレと離して読むのが正解で、タはリアテッレの接頭語。リアテッレさんという意味で、ピーラーはイタリア版ピーマンの肉詰めといった趣の料理。つまり、ゲイバーのママ、リアテッレさんのピーマン肉詰めという意味です」だと。お前、いくらおれの子分だからといって、ふざけんのもいい加減にしろよ。
 そういうやつには、こんど、父ちゃん考案のオリジナル・パスタ、「ババネロわさびハラペーニョ明太子ペペロンチーノ」を食わせるからな、覚悟しとけよ。
  
カボチャからひょうたん
 バカ友のハマちゃんが、また大バカをやらかした。
 ハマ「アノネ、ジャンボカボチャ大会で300kgのカボチャをつくると賞金10万円がもらえると聞いたので、苗を買ってきて植えたんだよ」
カネ「ああ、おれも前にやったことがあるけど、55kgだった。300kgはむずかしいぞ」
ハマ「肥料をたくさんやったらきれいな白い花が咲いてね」
カネ「白い花? カボチャの花は黄色だろう」
ハマ「そう、でもジャンボカボチャだから白い花なのかと思ってさ。花が咲けばこっちのもんだと思ってみんなを集めてパーッと前祝いをやってさ。なにしろ賞金10万円だから」
カネ「で、いまはどのくらいになってるの」
ハマ「それがさ、このあいだ畑へ見に行ったら、でっかいひょうたんがごろごろしてるの」
カネ「はあ?」
ハマ「ひょうたんの苗だったらしいんだよ。かあちゃんにはバカにされるは、みんなには笑われるは、往生したばい。はっは」