平成18年9月19日 Vol 145
よかさ!
台風13号のつめ跡。
 屋根の上からこんにちは。高いところから失礼させていただきます。
 台風で屋根瓦が飛ばされちゃったので、屋根に登って修理をしているのでございます。
 台風一過、屋根の上からの眺めはなかなかのもので、高い空、青い海、美しい国、ニッポンの秋満喫。おーい雲よ、お前はどこまで行くんか、てな気分でございます。割れた瓦を高いところから放り投げるとガッチャーンと粉々に砕け散って、ちょいほろにが気分も混じりはしますが結構いい気持ちで、このまま降りたくなくなるほどでございます。
 瓦の修理は素人には簡単ではないのですが、なに、やってやれないことじゃありません。丸太小屋をつくったときも自分で瓦を乗せたし、だいいち瓦屋に頼めばこのときとばかりと高い金をふんだくられる。台風が近づけばきっと瓦屋はニタニタしてるに違いないんですから、この際、自分で直しちゃいましょう。

 つめ跡は瓦だけじゃありません。いろいろやられました。
 母屋関係では、風呂の煙突のてっぺんが消えて無くなり、テレビのアンテナがポッキリ折れました。楽しみにしていた映画、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」が見れなくなるので、これはいちばんに直しました。
 車庫関係では、波板屋根がほぼ全滅。吹き飛ばされた屋根瓦が直撃し穴だらけ。これはちょいと散財になりそうです。
 露天風呂の竹の囲いが三面ぜんぶ吹っ飛ばされてバラバラ。風呂釜も煙突も横倒し。囲いのない露天風呂は間抜けなもので、いま入れば庭から丸見え状態。若い女性の方はかなり勇気がいりそうです。よろしければどうぞ。
 庭の山桃の大木も倒れました。裏のアカシアもボッキリ折れて太い幹だけに。
 下の畑へ降りると、まず大きい方の鶏小屋が崖下に吹っ飛ばされて全壊。烏骨鶏の小屋も倒れて、どちらの鶏も行き場を失って目を白黒させています。
 大きいビニールハウスは、あらかじめビニールをはずしておいたので最小限の被害。ぜんたいが傾いた程度。しかし、小さいビニールハウスは二つともグシャリとつぶされました。
 野菜は全滅。
 桃の木やオリーブなども倒れています。ソバ畑の囲いはふてくされたように寝ています。
 船が心配ですぐ見に走りましたが、避難させておいたので大きな被害は無し。でも、牡蠣のひもが複雑にこんがらがっていて、これは復旧が大変。落ちてしまった牡蠣も多く、ことしの牡蠣は高く付きそうです。カゴは見てないけどたぶん絶望でしょう。
 そしてモンダイは田んぼです。見に行く途中で見たよその稲はぜんぶべったり横倒し。ああ、ダメだと諦めながら行ってみると、なんと半倒し程度で済んでいる。これならなんとか稲刈りができそうです。普段から真面目な生活を送っているので、これは神様のお情けでしょうか。
 とまあ、こんなところで済んだので、よしとすべきでしょう。もっとひどい目にあわれた方々がお気の毒です。つらいでしょうが、どうぞ、気落ちすることなく頑張ってください。お見舞い申し上げます。そして、早々にお見舞いを下さった方々、ありがとうございました。
 聞くところによりますとなにか、可哀想な金子農園へ義捐金を送ろうという運動があちこちであるようでございますが、そういうご心配はくれぐれもなさっていただいて結構でございます。心よりお待ち申し上げておりません。