NEWS LETTER
Vol.16
 平成13年8月24日発行

台風それる
 大型で強い、台風11号接近のニュース。
 「来るかね」「どうじゃろう」
 とりあえず、船を安全な場所に避難させる。これで、ひとつ、心配の種が消える。
 家のまわりを片づける。これで、ふたつ。
 田んぼを見回る。これがいちばんの悩みの種。風が心配。でも、こればかりはどうにも打つ手がない。台風が右へそれることを願うだけ。
 台風は左巻きだから、自分の位置より左側(西側)を通ったときに被害が大きくなる。ハエ(南風)が強いからだ。金子農園でいえば、東シナ海を通過する台風が怖く、大分のほうを通過する台風は、それほど恐れる必要はないということ。
 「右へ行け、スライスしろ」と祈っていたら、祈りが通じて、紀伊半島の方へ大きくそれてくれた。
 昨年は、実った稲がべらっと風で倒され、機械が使えず、ぜんぶ手で刈り取りをした。たまたま運良く、東京から山ちゃんが来ていたので、助かったが。機械を借りてすれば2、3時間、手で刈れば二人で最低5日はかかるからね。ま、それはそれで楽しいんだけど。
 ともあれ、一安心。
  
緊急治療
 ところが、「右へ行け」などと自分勝手なことを言ったので、バチが当たったんだろうね。紀伊半島方面の方々の怒りを買って、夜中に突然、胃の激痛。午前3時、母ちゃんを叩き起こし、町立病院を叩き起こし、宿直医を叩き起こして、緊急治療。
「おや、金子さん、きょう、テレビを見ましたよ。また出てましたね」
「いや、それより、胃が…」
「こんどはNHKの教育テレビで、すごいですね」
「いや、胃が…」
「この頃、トライアスロンのレースのほうは」
「イテテテ…」
「アイアンマンがなんですか。痛み止めの注射を1本打っておきましょう」
 で、終わり。病名も、原因も分からず。
千客万来
 お盆休みで、サラリーマンは帰省か、旅行。その余波で、金子農園は連日、千客万来。
 テレビの影響はすごいです。東京、群馬、大阪、大分、熊本、毎日お客様です。仕事ができません。田舎暮らしについて、ノート持参で真剣に質問をぶつける人、あるいは、あらかじめコンタクトをとって来る人、それは真面目に応対します。でも、「テレビで見たから」と、いきなり、ただ見物に来る人は正直言って困ります。きつく言えば、時間泥棒ですもんね。一応、仕事を休んで、応対するわけですから。整理券が必要なくらいなので、さすがに終いには不機嫌になりました。
凛々しい男に
 茅ヶ崎に嫁いだ娘が、帰ってきました。
 と言っても、三くだり半をもらってきたわけではありません。第一子誕生お披露目の里帰りです。
 じいちゃん、ばあちゃんにとっては、長男の子に続いて二人目の孫。
 名前は、凛(りん)と申します。「凛々しい男になってほしい」という願いを込めて、パパが名付けました。以後、よろしく、おたの申します。
 慶応で高橋(現・巨人)と一緒に野球をしていたパパは、「大リーガーにさせる」と、早くも親ばかぶりを発揮しているようです。
 
残暑お見舞い申し上げます 
 一時、秋の気配を感じさせる風も吹きましたが、どうして、油断は禁物。まだまだ、しばらくは、セミも鳴きやみそうにありません。
 このところ、ずっと、畑の草払いで汗を流しています。ミカン畑、ウメ畑、モモ畑、ブドウ畑、野菜畑、田んぼ、払っても払っても草は伸びてきます。
「田舎で無農薬野菜でも作って、のんびり暮らしたい」といって訪ねてきた人が、「草取りが大変そうですね」と言ったので、「大変なんてもんじゃないですよ」と言っておきました。その奥さんが、「ヘビはいますか」と聞くので、「マムシがいっぱいいます。ムカデも、スズメバチもいっぱいいます」と教えてやりました。