平成20年6月1日 Vol 170
よかさ!
脳貧血で昏倒
 ♪血糖値が高いけど〜好きなお酒はやめられぬ〜 というコマーシャルが気に入って、湯船に浸かりながら唄ったりしている。〈辛党、甘党、高血糖〜〉とつながるところがなかなかいい! コマーシャルに出てくるオヤジが悪友のイラストレーター嶋口に似てるのも面白い。別に父ちゃん血糖値は高くないので気楽なもん。
 ところが、のんきに歌なんか唄ってたらエラいことになってしまった。
 貧血でぶっ倒れてしまったのだ。
 それも2回。朝起きてトイレに行こうと立ち上がったら突然意識が薄くなり、ぐしゃっと腰砕けになって転倒。意識はすぐ戻ったが初めてのことで何が起こったのか分かるまで少し時間がかかった。病院で薬をもらい今も飲んでいるのだが、またやってしまった。いや、やったというわけじゃないか。
 やはり同じように朝起きてトイレに行こうと立ち上がり、この頃は気をつけているので立ち上がるとすぐ近くの柱につかまって…というところまでは覚えていたのだが。そこからあとは(おそらく)3秒間くらい空白があって、ドッターン!ガラガラッ! ゴッチーン!という音と、「数栄さん! 数栄さん!」という叫び声で目を覚ました。君子さんの叫び声で、「あ、またムカデが出たのかな?」と思ったが、気が付いたら自分が仰向けに倒れている。「どうしたの、大丈夫っ?」と聞かれてアタマに手をやったら後頭部が痛い。見回したら、たまたま片づけるために置いてあった長火鉢と石油ストーブがあって、どうやらそれにぶつかったらしい。
 後頭部の痛む部分はあっという間に大きなコブになりずきずき。でも2度目だからすぐ事情は飲み込めた。しかし前回は倒れていくのが分かったのに、今回はいきなり意識不明の空白状態になって、倒れていくのがまったく分からなかった。アブナイ、アブナイ。参ったぜ。
 レバー、プルーン、ホウレンソウなんかも結構食べてるんだけどなあ。
 
棺桶リスト
 意識不明でぶっ倒れる経験なんて、そうは出来るもんじゃない。そういう意味では、貴重な経験をさせてもらったなと思う。
 だからというわけじゃないが、そろそろ先のことも考えておかなければいけないのではないかと思っていたら、タメになりそうな映画をやっているというので見に行った。
 『最高の人生の見つけ方』という映画で、主演はジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン。
 原題は『Bucket List』(棺桶リスト)。つまり、棺に入る前にやっておきたいことを書き並べるという意味。末期がんで余命6ヶ月と宣告された二人が自分たちの夢をかなえる旅に出る。
 「スカイダイビングをする」「万里の長城をバイクで走る」「荘厳な景色を見る」「涙が出るほど笑う」などをメモに書き、それをひとつずつ実行していく。話はたわいないが、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンだから、面白くないわけがない。結構笑わせてくれたし、泣かせてくれもした。
 この映画を見る前、たまたま、父ちゃんも昨年末に体調を狂わせて寝込んだとき、ベッドでこの「棺桶リスト」を書いた。死ぬまでにやりたいことを思いつくままに書いてみたら、「グランドキャニオンを歩く」とか、「ニューヨーク・シティマラソンを走り、そのあとジャズライブを聴き歩く」とか、「友だちを招いてジャズピアノ・コンサートを開く」など26項目が並んだ。映画の主人公ように大富豪じゃないので短期間には実行できっこないけど、ちょっと頑張ればやれそうなことを並べているので、出来ることからひとつひとつ実現させていくつもり。
 15年前、田舎暮らしを始めたときも、やりたいことリストを書いたら60項目あって、そのうちの9割方は実現させたが、そのあとも新しくやりたいことが続々と出て来ているのでまだまだ父ちゃん、死ぬわけにはいかないのである。