平成21年1月29日 Vol 176
よかさ!
オバマ大統領
 オバマは暗殺されるだろうかと友だちが聞くから、90%されると思うと応えた。初めは選挙の遊説中にやられるかもしれないと思っていたが、何事もなくてよかった。つぎは就任式が危ないと見ていたが、これもはずれてよかった。こういう予想ははずれたほうがいい。
 じゃ、麻生さんは? とその友だちが聞くから、消費税の値上げ率ほどもないだろうと応えた。だろうねと友だちは笑った。
 炬燵でそんな話をしているところへ別の友人が訪ねてきて、オバマさんの就任式の演説は見事でしたねと感心したようにしゃべったが、これには応えようがなくて困った。テレビも見なかったし、新聞にも全文が掲載されていたが、関心がないのでそれも読まなかった。
 それより、たまたまテレビのニュースを見ていたら、ブッシュ元大統領に似せた大きな人形を作ってそれに靴を投げつけて喜んでいる若者たちの光景が映し出されていた。そして、ブッシュの唯一つの功績は投げつけられた靴を上手によけたこと、という風刺漫画が紹介されていたが、これは結構笑えた。
 それにしても、ブッシュだって就任当時は相当な支持率だったのに…。
 
冬の海
 ナマコ漁とウニ漁が1月いっぱいで終了する。風が吹いて海に出られない日もあったが、ことしの冬もずいぶん楽しませてもらった。夏の海もいいが、厳しい冬の海も好きだ。ことしはナマコもウニもよく捕れて、水揚げも上がった。まあ収入があればもちろんそれなりに有難いが、それよりも好きな漁ができることがうれしい。いくら寒かろうが、いくら雪が舞おうが、ぜんぜんつらいとは思わない。強い風が吹き荒れれば船が流されて漁にならないのでこれはきついが、でも風が強い日でもアンカーを入れて頑張ったこともあった。
 東京にいる高校時代の仲間から新年会の知らせが入ったが、欠席のメールを出した。なかにはひまを持て余しているのでいつでも出席可、ひとつも予定がないのがさびしい、と書いた返事もあったらしいが、尾戸の貧乏漁師は新年会のために航空チケットは高すぎて買えないし、毎日忙しくてひまもない。漁は体力を使うのでふうふう言ってもいるが、派遣を切られた人のことを思えば、ずっと幸せなのかもしれない。
 まだきつい牡蠣の手入れも残っているし、もう少しすればモズク漁が始まる。

冬の空
 オリオン座がきれいに見える。夜が真っ暗になるのはいいことだ。いまではネオンはちっとも恋しくならない。
 ランニングとヨットで世界一周の旅に出た間寛平が太平洋上からテレビ電話をしてきたのを何かの番組で見たが「生まれて初めて流れ星を見ました!」と興奮気味にしゃべっていたので驚いてしまった。寛平ちゃんが何歳か知らないが、60歳近くにはなるだろう。ものごころついて50年、一度も流れ星を見てないというのはどういう暮らしをしていたのか。そう言えば、二男の嫁が遊びに来たとき、我が家の露天風呂に入って「初めて流れ星を見ました」と目を丸くしていた。都会ではそれがフツーなのかもしれない。
 ことしはガリレオが望遠鏡で初めて天体を観測して400年にあたる「世界天文年」なのだそうだ。押し入れに放り込んである望遠鏡を取り出して、たまにはじっくりと夜空でも眺めてみようか。何年か前の昼間、対岸の大村市の公園をランニングしている女子高生の一団を見たことがあるが、あれも面白かったなあ。アブナイか。

体験民宿と喫茶店
 アブナイことはやめて、真面目に喫茶店の親父でもやろうかと思うのだけど、なにせ宣伝もしないし看板も出さないので、お客さんが来てくれない。いや来るには来るのだが、友だちや知人ばかり。知った顔からはお金は取れない。冷やかしや見学でいままで延べ50人ほど来ているが、一度も代金をいただいたことはない。これでは商売アガッタリなのでついに「珈琲300円」という札をぶら下げたのだが、まったく効果はなし。みんな「いや、払いますよ」と口では言うのだけど、気の弱いマスターが「いや、きょうは結構です」と手を挙げるので、実際に置いて行った人はいないのである。はは、自分が客でもそうするけどね。
 体験民宿のほうは、正月早々からお客さんがあって、知人ではあったがこの人は礼儀正しくきちんと置いて行った。そればかりか、焼酎やお菓子などお土産をたくさん持ってきてくれた。こういう知人はいくらいてもいい。大切にしたい。