平成22年1月13日 Vol 181
よかさ!
粗忽者(そこつもの)。
 年賀状がえらい評判で、「笑わせてもらいました」と言われるたびに、こっちも笑っている。「どこで撮影したのですか」「衣装はどうしたんですか」という声が多いので教えましょう。長崎さるく(歩く)観光の名所〈東山手13番館〉というところで撮影しました。明治30年頃建設され、フランス領事館として使われていた洋館で、オランダ坂の途中にある。昨年秋、コーヒーを1杯100円で飲ませてくれるちょっとした隠れた穴場になっているのを偶然見つけ、静かで雰囲気がよく、しかもいつもブルーノートのモダンジャズを流してくれているのでそれから通っているのだが、ここで龍馬伝にあやかった幕末の衣装を1着500円で貸してくれるのである。そこで、「よし、これで年賀状をつくって笑わせてやれ」と思い、デジカメでパチリとやったわけ。
 しかし、意外だったのは、「君子さんもいいけど、数栄さんがかっこいい!」という女性の声が多かったこと。やっぱ、見る人が見ると、おれって、まだかっこいいんだにゃあ。
 というわけで、ことしは龍馬にかぶれて気合を入れてるじゃきに、よろしうたのむぜよ!
 ところでその年賀状、ことしも70枚ばかり頂戴したけど、なかに面白いのが3枚あった。いや4枚だ。そのうちの2枚は同じ人から来たもの。年末に1枚出したのに、出したのを忘れて正月にまた1枚書いちゃったものと思われる。もう1枚は「平成21年度元旦」と書いてあり、あとの1枚はなんと「平成10年元旦」とあった。おいおい、ことしは22年だぞ。またいくらなんでも平成10年はないだろ。西暦なら2010年だけどな。こういうのを粗忽者という。別名、あわて者、おっちょこちょい。
 まあ、父ちゃんも、眼鏡をかけたまま顔を洗ったり、眼鏡をかけている上にもうひとつ別の眼鏡をかけたりして「いけねえ!」なんてことがよくあるので、ひとのことは言えないのだけど、正月明けにこんなメールが来て笑ってしまった。年末にナマコを送った古山正則さん(仮名)から「きょう代金を振り込んだのですが、うっかりして差出人の名前をカネコカズエにしてしまいました。すみません」というのだ。早速、銀行へ行って記帳してみたら、確かにそう書いてあった。お金はちゃんと入っているからモンダイはないのだけど、おれがおれに振り込んでどーするのよ、フルちゃん。
 でもね、年末にもっとそそっかしいひとがいたぜ。そのひとは佐々木杏子ちゃん(仮名)というのだけど、お歳暮をくれたのね。そしてね、その包みの中に、佐々木様と書かれたその品物の請求書も一緒に付けてくれたのよ。付けてくれたというより、くっついてきちゃったというのが正しいのかな。
 「こちらで払っておきましょうか」と電話したら「キャハハハ…」と大笑いしてた。
 ま、気をつけましょうかね。

♪1本で〜も3本! 
 粗忽者はだいたいカワイイものと相場が決まっているのだが、では、こういうのはどうしたものか。年末にこんなことがあった。
 不要になったウイスキーの樽材を利用してつくったというボールペンが並んでいるのを見つけ、ほしくなったのでその場で注文した。君子さんと1本ずつ、名前入りにしてもらった。1週間ほど待たされた後、電話があったので君子さんに受け取りに行ってもらった。君子さんは自分の分の試し書きをし、私のは名前だけ確かめて帰ってきた。早速、机に向かい、ポチっと頭をノックしてびっくり。ボールペンを頼んだに、シャープペンだったのだ。しかも、太さが細い。
 電話したら、すぐつくり換えるというのでまた、1週間待った。電話がかかってきて「ちょっと手違いがあったのでもう少し待ってください」とのこと。そして「出来上がりました」の連絡。行ってみると、「金子数栄」の名前入りのボールペンが2本、太いのと細いのが並んでいる。間違って細いのをつくってしまい、それでまた改めて太いのをつくったのだという。シャープペンを返そうと持って行ったので、全部で3本並んだ。さて、どうなる。
「大変ご迷惑をおかけしましてすみません。どうぞ、3本ともお持ち帰りください」だって。名前が入っちゃっているので、どうにもならないのだ。1本で3本! ボールペン買うなら名前入りに限りやす。