NEWS LETTER
Vol.22
 平成13年10月15日発行

新米
 10月12日、新米を食べた。
 5月1日に種まき用の土入れをし、5月3日に種まき。5月20日、代かき。5月25日、田植え。それから、田の草取りや水管理、暑いさなかのヒエ取り、溝掃除、畦の草払いなどいろいろあって、9月21日、稲刈り。稲掛け。9月29日、脱穀。そして、10月12日、最後の仕上げ、籾すり、精米。
 お米が食べられるようになるまで、5ヶ月間、かかるんです。
 新米は、もちろん、おいしいです。どれくらいおいしいかは、いくら物書きの端くれだと威張っている父ちゃんでも、うまい言葉が出てきません。あまりのうまさに、ただ笑っちゃうだけです。
 父ちゃんは、朝ご飯は2膳食べますが、みそ汁と、おかずは自家製の小梅の梅干しが2個あれば、ほかに何もいりません。普段は、産みたて玉子や、納豆や、漬け物があるけれど、新米の時はそんなものなくてもいい。それくらいうまい。
 でも、これだけ手間のかかったお米が、いま、いくらで買えるんでしょう。母ちゃんに聞いたら、「1俵(30kg)9000円で買える」んだとか。
 冗談ポイです。
 父ちゃんは、絶対、売りたくありません。自分で食べます。
 安すぎます。これじゃあ、米農家がみんな米づくりをやめていくのは当たり前です。「買った方が安か」に、反論などできません。
 だからって、父ちゃんは、米づくりはやめないよ。絶対。
 
     ウメーぞ!
ミカン
 いま、早生ミカンが収穫の時期。金子農園のミカンはほとんどが普通ミカンだけど、少しだけ早生ミカンもある。ことしは豊作で、色づきもいい。もちろん、味もいい。遊びに来てくれた人には採って食べてもらっているけれど、送れるほどにはありません。普通ミカンは、12月に入ってからの収穫になります。ご希望の方は、いましばらくお待ち願います。
 「金子さんちのミカン園は、まるで蜘蛛の巣城だね。よそのミカン園は、蜘蛛の巣ひとつありませんよ」。遊びに来た友人が笑ってました。そうなんです。金子農園では、蜘蛛を農薬の代わりに飼っているんです。
グァバ
 グァバの実を収穫しました。
 ハワイへ行くと、よくホテルでグァバ・ジュースが出ますよね。東京の友人に送ったら、「何だ、これは。どうやって食べるんだ」と聞かれました。皮ごと食べられるし、濃縮ジュースや、ジャム、ゼリーにしてもおいしい。母ちゃんは、ジャムを沢山つくって、味彩市へ持っていきました。
 グァバは、原産地が南米で、ものの本によれば、紀元前800年頃、ペルーのインカ帝国でも常食されていたとか。
 ビタミンCが、かんきつ類の10倍もあるんだってよ。
不漁
 「千に一つって言うけん」と、老漁師に慰められた。
 それにしても、この頃、網にもカゴにも魚が入らない。釣りに行ってもダメ。
 「どうしちゃったんだ。おれが何か悪いことしたか。何もしてねえぞ」と、思わず泣きが入る。
 4,5日前まで釣れていたフグが、ピタッと釣れなくなった。1日で全員どこかへ行っちゃった。おととい8匹、きのうは3匹。おかしいよ。アジも釣れない。イカもかからない。何かに呪われてるのかなあ。去年まで、こんなことはなかったぞ。
 
金子ワールド
 ホームページにリンクをはっている『渡辺隆司の絵日記・がんばらないぞ!』を、いますぐご覧になってください(トップページのlinkをクリックする)。
 先日、彼が遊びに来て、スケッチしていった作品がたくさん掲載されています。
 古い友人のよしみで、実物より大分よく描いてくれていますが、絵はさることながら、添えられた文がなんとも味わいがあって、いい雰囲気を出しています。昔から、隆司君は、「早い、うまい、安い」という吉野屋みたいなイラストレーターとして、編集者からモテモテだったのですが、年を重ねてますます、うまさに磨きがかかってきました。
 気さくないいやつなので、ぜひ、みなさんも気軽に声を掛けてやってください。