NEWS LETTER
Vol.24
 平成13年10月27日発行

表彰される
 近頃、東京方面の友だちは一様に、元気がない。
 「誰それが倒れた」だの、「ドクターストップがかかった」だの、そんなメールばかり来る。
 「歯も目もナニも、ぜんぶ来てます。もやもやが脳内に充満してます」なんて便りも来た。まだ若いってえのによ。だらしがねえったらありゃあしねえ。
 リストラやら、なんやらのストレスで、みんな疲れちゃってるみたい。
 しっかりしろよ、お前ら。
 父ちゃんなんか、元気だってんで、表彰状までもらっちゃったんだぞ。
 「あなたの所帯は…平成12年度において一度も医療機関に受診されることなく健康に過ごされました。よって健康優良家庭として記念品を贈り表彰致します」っていうんだ。どーだ、まいったか。まいらない? あ、そう。
 琴海町国民健康保険から、「おめでとうございます」と表彰状と記念品が届いた。記念品は、高級お茶漬けのりセットと、静岡銘茶と、電動歯ブラシ。なんでお茶漬けとお茶と歯ブラシだか分かんないけど、まあ、いいや。いいけどさ、お茶漬けなんか、あんまり体によくないんじゃないのかい。噛まないで流し込んじまうんだから。
 電動歯ブラシなんかもいらないよ。歯ぐらい手で磨くよ。なんで歯ブラシまで電動にしなけりゃいけねえんだよ。ふざけんなっていうの。記念品代だって、合わせりゃ1万円近くするよ。そんなに金が余ってんなら、金で返してくれ、ってーの。
 それにね、言っとくけど、父ちゃんの歯は、10年ほど前に歯石を取りに行ったら、医者から、「小学生みたいな歯ですね」と言われて、それ以来、歯医者の世話になったことなんか一度もないんだ。もちろん、入れ歯も差し歯もない。ビールの栓だって歯で開けちゃう(オーバー、オーバー)。
 目だって、毎日、海を見て暮らしているから、前よりよくなっちゃった。その証拠に、近頃、よく眼鏡を忘れる。車で家を出て、「あっ、眼鏡忘れた」なんてことがしょっちゅう。眼鏡をかけなくても見えるようになっちゃった。こんなことは、昔はなかった。
 新聞も眼鏡をかけたら読めない。かけないほうが読める。
 「それって老眼じゃないの」。「そうだね」。
 
    
驚かされる
 表彰状にも驚かされたが、もと驚いたのが、「清ちゃん」だ。
 「もしもし、小川ですが」。
 「え、清ちゃん?」。
 「いま、佐賀に来てんのよ。いまから、遊びに行っていい?」。
 ということで、いきなりの訪問。
 プロ・ゴルファーの小川清二。日本シニア・オープン・ゴルフ選手権が25日から太宰府ゴルフ倶楽部で開催されるので、それに出場するために那須からやって来て、折角近くへ来たからとわざわざ足を伸ばしてくれたのだ。
 うれしいねえ。
 知る人は知っているんだけど、清ちゃんと父ちゃんは、いわゆる竹馬の友。子供の頃から一緒に遊んで、いつしか清ちゃんはプロ・ゴルファーに、父ちゃんはゴルフ雑誌の記者になった。大人になって再会し、取材する人とされる人に。そりゃあ、するより、されるほうがえらいに決まってる。父ちゃんのほうが、勉強はできたのに…。
 「編集長から、漁師になっちゃうんだもんなあ」。
 「この刺身、うめえだろう。今朝、捕ったんだぜ」。
 人生いろいろ。生きていると、楽しい出会いがいっぱいある。
招待される
 地区内にある尾戸小学校の5,6年生から招待状をもらった。先月、金子農園へ古い農機具の取材に来た、社会科の「米の歴史」発表会に招かれたのだ。
 招待客は、児童育成会の会長と、金子父ちゃん、母ちゃんの3名。実は、昨年、そして一昨年も、うちがヤギのスケッチ会場になったということで、絵画展に招待されているので、今回で3度目。尾戸小学校は、全校生徒数60名。発表会には、3,4年生も見学者として参加していたが、父ちゃんは、全員顔見知り。知らないのは、新入りの先生だけ。
 金子農園取材の模様がパネルになって展示され、ほかにもインターネットなどで調べたという米に関する研究データ発表や、実際の米づくり体験記、さらに自分たちで収穫したお米でつくったおにぎりやババロアなどの試食もあって、予想した以上に独創的な発表会だった。
 プログラムの最後に、「では、金子さん、きょうの感想をお願いします」とやられて、父ちゃん、そういうのはてんでダメで、しどろもどろで、焦ったのであった。