NEWS LETTER
Vol.27
 平成13年11月21日発行

牡蠣(かき)
 「いま、なんばしよっと」。「あ、つぐちゃん、なによ」
 「かきを焼いてるんだけど、出てこんね」。「行く!」。
 というわけで、読みかけの本を放り投げて、軽トラですっ飛んでいく。
 午後3時。「つぐちゃん、きょうは、仕事は」。「雨が降ったから、昼で上がった」。
 「初物だね」。「さ、食べてよ」。「うまいねえ」。「いま上げてきたとこよ」。
 (つぐちゃん、大工のかたわら、かきも育ててる)。
 「ほっほ、やめらんねえな、アチチ…」。
 4人で約200個。食い放題。雨の中。場所は倉庫。炭火。ビールと焼酎。やがて夕闇。
 「おれ、これからちょっと行かなきゃなんないとこがあるんで、先に…」。
 「じゃあ、これ、君子さんに」。かきのお土産、バケツに一杯。
 翌日、かきフライ。その次の日、かきのまぜご飯、これ絶品。かきづくしの3日間。
 
    

 近所のOさんが、柿をたくさん持ってきてくれた。渋柿。
 早速、干し柿づくり。皮むきは、父ちゃんの役目。柿渋で手を真っ黒にしながら、ひたすらむく。
 母ちゃんが、シュロの葉を採ってきてひもをつくり、柿をくくって熱湯にザブンとひたし、作業小屋の軒先に吊す。熱湯にひたすと、ハエがこないんだよ。
 むいた皮は、干して、つけものの甘みを出すのに使う。
 1週間に1回、もむ。
 正月前には、うまい干し柿が食べられる。うまいんだなあ、これが。
  
カボチャ
 北海道のKさんから、カボチャが届いた。
 さすが北海道。でっかい。うちもカボチャはつくるけど、こんなにでかくはならない。
 北海道のKさん。実は、この人、父ちゃんは心当たりがない。母ちゃんも知らないという。
 荷物を開けるとき、「炭疽菌じゃねえだろうな」と不謹慎な発言。
 なかに手紙が入っていた。
 「…テレビの人生の楽園のなかで、いちばん気に入りました。うちでつくったカボチャです。食べてみてください」。
 びっくりです。ありがとうございます。
 お礼に、金子農園のミカンを送りました。「長崎のミカンです。無農薬です。どうぞ、食べてみてください」。
キウイ
 キウイを収穫。
 去年は1200個採れたけど、ことしは半分くらい。でも、きちんと摘果したので大振り。
 遊びに来た人が、「えっ、キウイって、木になるんですか。地面になるのかと思ってた」と、驚いていました。父ちゃんは、その驚いているのを見て、驚きました。
 驚くことはいっぱいあります。きょうも、東京から来た50過ぎのオバサンが、「おモチって、ふつうのお米でつくるんじゃないんですか」と、驚いていました。
 「あのね」。
 「うるち米と、もち米。そうなんですか。知らなかったわ」。
 父ちゃん、疲れます。
しし座流星群
 9時に寝て、1時に起きて待機。2時から3時まで、庭で。
 夜がない都会と違って、わが家は、夜はほんとうの夜で、あたりは漆黒の闇だから、舞台は完璧。いままで、山へ行ったときや、わが家の露天風呂の中から、流れ星はいくつも見てきたけれど、今回ほどスゴイ流星群を見たのは初めて。ほんとにすごかった。
 たかが流れ星かもしれないが、言っちゃあ悪いけど、見ないで寝てた人は、自分で自分の人生をつまらなくしていると思う。
 翌日、テレビのニュースを見ていたら、何人ものアナウンサーやキャスターが、「私は熟睡してました」とか、「私は寝てしまって見れなかったんですが」とか言ってた。平気な顔して。
 曲がりなりにもそういう職業をしているなら、そういう恥ずかしいことは言うな。
 「きれいだったようですね」ではなく、「いやー、きれいだったですね」と言えよ。
 好奇心を持てないやつに、マスコミで生きる資格なんてないんじゃないのかい。
 
ミカン
 小春日和が続いている。
 青い空。静かな海。ぽかぽかの秋。インディアン・サマー。Tシャツ一枚で庭のベンチに横たわり、空を見上げる。こういう日は、働いてはいけないんじゃないかと思う。
 「なんできのう、会社を休んだのかね」。「はい、あんまり小春日和だったので」。
 いいじゃない、それくらいやったって。クビになっちゃう? そうか。
 ミカンが色づいてきました。もう、味もばっちしです。ことしは豊作。来週中頃から収穫を始めるので、12月に入れば送れると思います。