NEWS LETTER
Vol.29
 平成13年12月10日発行

ずっと、ミカン採り
 「何してんだ。いい加減で、ホームページの更新をしろよ」と、苦情が殺到している。
 あのね、いまね、それどころじゃないの。ミカン採りで忙しいのよ。
 おとといもミカン採り、きのうもミカン採り、きょうもミカン採り、あしたも、あさっても…。
 きょうなんか、日曜日だよ。しかもボーナス・サンデー。都会のサラリーマンのみなさんは、デパートでお買い物。帰りにはお食事。さぞかし、楽しい休日をお過ごしのことと存じます。
 百姓には、日曜日も、ボーナスもありまっせん。
 というわけで、毎日、朝から夕方までミカン採り。採っても採っても、なくならない感じ。夜は作業小屋でミカンの仕分けと箱詰め。もっともこれは、もっぱら母ちゃんだけで、父ちゃんは酔っぱらって早寝。だって、父ちゃん、年だから疲れんのよ。ミカン運びは重いしね。
 お陰様で、たくさん注文をいただき、この不況下に失業もせず、汗水たらして仕事ができております。ありがたいことです。
 でもね、きょうはホノルル・マラソンやってるんだよね。父ちゃん、無料招待を受けて、本当なら走ってたんだけど、ミカン採りがあるからって、断ったの。だから3回目のホノルルは、未完(ミカン)走。寒ぶ…。
田舎のプレスリー
 ミカン採りをしていると世相が分かる。
 金子ミカン園は町道の脇にあるので、いろいろな車が通る。昨年までは、通りがかりの人がよく立ち寄って、ミカンを分けてくださいと来た。そういうお客さんを当てにして、小さな「お店」まで出してまずまず繁盛もしていたのだけれど、ことしは、そういう「観光客」がまったく見当たらない。だから、お店も出してない。
 それでも、たまには車が止まる。
 先日、こんなことがあった。ミカン採りをしていると、「アッ、もしかして金子さんですか」と、見知らぬおばさん4人組。「テレビで見ました!」「わ、ホントだ!」「きゃ、うれしい」。「かわいいー」(これは嘘)。
 ひとりのおばさんなんか、胸の前で手を合わせぴょんぴょん飛び跳ねて感激のご様子だった。まるで、憧れのスターに出会ったって感じ。父ちゃん、テレビで顔売ってるから。で、ミカンをたくさん買っていってくれた。
 まるで、おれは田舎のプレスリー。ちょっと自慢したくなったので、それを知り合いの若い女性に話したら、「なんで?金子さん、プレスリーになんかぜんぜん似てないじゃない」だって。
若い女性
 金子農園の民宿状態は、ここへきても収まる気配はない。
 先週のお客様は、東京から若いお嬢様の二人連れ。ひとりは、父ちゃんのちょっとした知り合い。もうひとりは、そのお友だち。それぞれ一流企業のOL。目的は、長崎観光。
 初日はハウステンボスでお遊びのあと、わが家へお泊まり。2日目は朝から長崎市内へお出かけになり、グラバー園やら出島やらを見て歩き夕方帰ってきた。3日目は自分たちの家に送る分のミカン採りをちょこっとなさって帰られた。
 田舎にいると、若い女性を見る機会がないので、父ちゃんはいつになく、はしゃいでいたようだった。
人生相談
 父ちゃん、牡羊座。先週は女性運が強かったとみえ、OL二人組のあと2日おいて、メル友のY子ちゃんが、福岡からお泊まりに来た。前日、いきなり、「あした遊びに行っていいですか。泊めてもらえますか」とメールがきたので、「どうぞ」と返信したら、来た。
 ところが、てっきりひとりだと思っていたら、なんと保護者つき。「すみませんね、私まで」と、おかあさんがついてきた。これにはびっくりしたが、いやいや、どーぞ、よくいらっしゃいました。
 「会社で嫌なことがあって、辞めちゃったんです」。
 「この子が、田舎で暮らしたいと言うもんですから」。
 「田舎の方が、人間関係は濃いですよ」。
 「農業で人を雇うようなところはこの辺ではないですね」。
 と、人生相談は夜中まで続いたのであった。
住宅マスタープラン
 父ちゃん、琴海町の有名人(ふざけて言ってるんだからね)になっちゃったので、町からのお誘いがやたら来る(本当は暇人だと思われてる?)。
 こんどは、「琴海町住宅マスタープラン策定に伴う委員」の委嘱。
 なんだかよく分からないけど、その幹事会に出席して、ワークショップとやらをしてきた。
 ちなみに、委嘱を受けたのは、農協代表とか、商工会会長、婦人会代表、老人クラブ連合会会長、ボランティアセンター会長、青年農業者クラブ代表など、エライ人ばかり。肩書きがなんにもないのは父ちゃんだけ。敵も困ったんだろうね、父ちゃん、「住民代表」となっていた。
 住民代表といえば、住民の代表だからね。クラブや会の代表じゃないんだからね。これはすごいか、ぜんぜんすごくないか、どっちだろうね。
 
パソコンウイルス
 「Re」のウイルス・メール、来てませんか。うちにもいっぱい来ています。たまたま、ヤバイなという時点で気づいたので、大きな被害はありませんでしたが、「削除」しただけで感染してしまうというのでやっかいです。「HI」というのもかなりヤバイらしいです。気を付けましょう。