平成14年1月3日 Vol 32
迎春
 あけましておめでとうございます。
 旧年中は、ご愛読ありがとうございました。
 本年も、よろしくお願い致します。                                                                                      
初詣
 元旦。
 別に信心深いわけじゃないけれど、父ちゃんと母ちゃん、毎年、初詣は欠かさない。
 除夜の鐘が鳴り出すちょっと前に家を出て、歩いて近くの八幡様へお参りする。愛犬・ゆめも連れていく。
 いつも午前0時ぴったりに鳥居をくぐる。この時間、参拝客はいつも2組。うちと、くんちゃん一家だけ。ことしは先を越されたが、去年は一番乗りで神社のあかりを付けた。
 50円のお賽銭で、家内安全をお願いする。それでも毎年、「ことしもいい年だったなあ」と言ってる。
 明治神宮や成田山にも行ったことがあるが、ひっそりとした神社も、それなりに風情があっていい。
「どどーん、どどーん」。風もないのに、潮騒の音がやけに大きく聞こえてくるのはなぜだろう。まん丸の月が、細い山道を照らす。
「ことしは、あったかいわね」。「そうだな」。
「ことしも、いい年になるといいね」。「そうだな」。
初火の出
「ドッカーン!」
 朝7時。雷の音で目を覚ます。「おいおい、元旦から雷かい」。
 大村湾の上空に真っ黒な雨雲。毎年、初日の出の写真を撮ってきたが、ことしはだめ。
 仕方ないので、風呂釜の写真を撮る。初火の出。
  
朝湯
 
7時半。朝風呂で身を清める。清めても落ちない汚れもあるけどよ、ま、長いこと生きてりゃ、そういうことにもなろうさ。
 ことしは午年。父ちゃん、年男。還暦だ。
 赤いちゃんちゃんこ。「へっ!」と見得を切ろうか、「はい、はい」とうなづこうか。どっちにしろ、60歳には変わりなし。
 それより、元気なうちに好きなことしといたほうがいいや。死んじゃったらおしまいだもんな。
 なんてことを、朝風呂を浴びながら考えた。 
朝酒
 父ちゃん、真面目だから、1年中、晩酌は欠かしたことがないが、昼間は飲まないと決めている。決めないと、この辺では生きていけない。雨の日に、ついうっかりよその家に行こうものなら、「遊んでいかんね」とつかまってしまう。「いやいや、まだ、やることがありますから」と断っても、手をつかんで引きずり上げられてしまう。だから、当然、「朝酒も飲まない」と宣言している。宣言しないと、死んでしまう。
 ただし、正月は別。正月は朝から飲まなけりゃ、なにが正月か。
 福岡のNさんからいただいた『久保田』を脇にデンと据える。
 もちろん、最初はお屠蘇。
ウニ寿司は、父ちゃんが捕ってきたウニを、母ちゃんが握った。ナマコも最上級の赤ナマコ。売らずにとっておいた。鯛の刺身、イカ、タコ、ブリダイコン、コンブ、クロマメ、クリキントン。雑煮は、捕ってきたメバルでいいダシが出ている。クリキントンは、庭のクチナシの実を入れたのできれいな黄色。茶碗蒸しもある。
 
朝寝が大好きで…
 朝から飲めば、効く。
 朝から飲めば、うまい。
 うまいから、飲む。
 飲むから、効く。
 うん、効いてきた。
 「おい、ジャック・ダニエル持ってこい。マスターのほうだぞ。氷と水もな」。
 よしよし、これだ。
 飲むから、飲む。
 飲むから、効く。