平成14年4月6日 Vol 44
タケノコ掘り
 「タケノコがよんにゅう出とるばい。掘りに行こうか」
 4月3日、保育園の園長に誘われて、午後から園長の竹林へ出掛けた。
 そうそう、「よんにゅう」というのは、こっちの方言で、「たくさん」という意味。語源は知らないけど。
 明け方、雨が降ったので、よんにゅう出ている。まさしく、雨後のタケノコ。
 タケノコ掘りは楽しいが、汗だくになる。タケノコ掘り用のトウガでちょんちょんと掘ってボコッと掘り出す。慣れれば簡単だけど、慣れないといくら掘っても掘り出せない。無理に取り出そうとすると途中でタケノコがボキッと折れたりする。力任せにやると、トウガまで折ってしまう。結局、母ちゃんと3人で80本近く掘り出し、園長の家の庭に運び、皮をむき、特大の釜でゆでる。
 「あっ、4時半だ、大変、スクールバスの時間が過ぎてる」
 「えっ、4時半、大変、ヘルパーに行かなけりゃ」
 山分けで40本もらう。
 帰ったら、となりのOさんから、タケノコがどっさり届いてた。 
夢田舎
 雑誌『夢田舎』好評発売中。
 「早速、買って読みました」 「本屋を4,5軒回ったけど置いてなかった」などのメールが続々届いてます。
 編集長の本條くんに成り代わってお礼とお詫びを申し上げます。
 仲良しのあんずちゃん(本人の名誉のために仮名)からもメールが入りました。
 「本屋さんで、思い切り、『ゆめでんしゃ、くださーい!』と叫んで、恥ずかしい思いをしてしまいました」
 おいおい、「ゆめでんしゃ」はないでしょ。たしかに、そう読めなくはないけどさ。
 で、店員さんは、どんな反応だったのよ。
 「はっ?」と目を丸くしたのか、それとも、「はい、こちらにございます」と言ったのか。
 きみは、ふだんから声がでかいからなあ。 
サトウキビ
 味噌、醤油が自家製なんだから、砂糖や塩も自家製にしようよ、と母ちゃんと話していたら、隣町のMくんが、サトウキビを持ってきてくれた。
 Mくんは、2年前、脱サラで百姓を始めた。奥さんは小学校の先生をしているので、Mくんはひとりで畑を耕している。メインがサトウキビで、黒砂糖を出荷している。
 昨年、父ちゃんが書いた雑誌を読んで訪ねてくれ、それ以来の交流。
 自家製の黒砂糖も持ってきてくれた。無農薬、無肥料の自然の味は、ほんのりとしたやさしい甘さで、香りもさわやか。焼酎のつまみにもぴったり。
 早速、荒れていた畑を耕し、植えさせてもらった。
 来年2月には、自家製の砂糖ができている…はず。
『ひいらぎ』
 琴海町文化協会の機関誌、『ひいらぎ』第19号が発刊された。
 毎年、父ちゃんも執筆を依頼され、拙文を載せている。
 お堅い文章が並ぶなかで、ただひとり父ちゃんの駄文は異質なのだが、その軽薄さに少なからずファンもついている。「読みましたよ」と、ときどき声も掛けられる。
 ことしも、新しく地元の小学校に赴任してきたという先生がいきなり訪ねてきて、「ひいらぎを読ませていただきました。よろしく」と丁寧なご挨拶。よく分からないけど、「こちらこそ、よろしく」。
牛肉
 父ちゃんが住んでいる地区(組)には45戸あり、それが5つの班に分けられて、うちはその3班に属している。新年度の役員改正で、また班長をすることになった。これで2回目。自治会費を集めたり、そのほかいろいろな世話役を仰せつかる。その新旧交代の会合が公民館であった。
 引き継ぎを軽く済ませて、あとは例によって焼酎懇親会。その宴席に、なぜか、焼き肉が出た。牛肉だ。
 牛肉を見るのは、何ヶ月ぶりだろう。ジュー、ジュー音を立てている。あれ、牛肉ってもう、食べてもいいんだっけ。狂牛病とかって、どうしたんだっけ。
 いい匂い。
 う、う、我慢できない。
 いいや、食べちゃえ。