平成14年5月20日 Vol 48
たねまき
 米づくり、その2。
「たねもみ」のつぎの行程が、「たねまき」。
 写真のように、苗床用の箱に古新聞紙を敷き、その上に土を入れ、たねをまく。
 それ用の手動の道具を使って均等にまくのだが、どうしてもムラができる。それを手でまいて補正する。そして水をやり、土をかけ、ビニールのトンネルをかぶせる。数日後、やがて芽が出てくる。(以下、次号)。
ヤマちゃん
 トライアスロンの仲間、ヤマちゃんが、ことしも「援農」に来てくれた。毎年、1回か2回、わざわざ埼玉からやってくる。必ず釣り竿も担いでくるから、「援漁」とも言える。その代わり、メシはばりばり食う。その辺はぜんぜん、「遠慮」はしない。去年来たときなんか、釣りの帰りにひとりで佐藤さんの家に寄って、風呂に入って酒を飲んで寝てしまうという豪傑ぶり。「もしもし、金子さんの友だちのヤマちゃんという人がいまうちで寝てるけど、どぎゃんするね。このまま寝かしておくね、それとも迎えにくると?」と、佐藤さんから電話が入り、あわてて迎えに行ったのだった。
 某国立大学を卒業後、大手建設会社に就職。やがて、トライアスロンにめざめ、そこで父ちゃんと出会っちゃったのが運のつき。脱サラして、某大学に入り直し、いま司法試験に挑戦中。今回も、受験した足でそのまま長崎へ飛んできた。「どうだった」「ハハ、模擬試験と同じだった」「同じというと」「やさしくはないということ、ハハハ」。
 金子農園を訪れるお客さんは多いが、作業着を2組も持参してくる根性の座った客はこの男しかいない。昼に着いて、午後にはもう畑の草払い。夕方、「もう上がって、イッパイやろうよ」とけしかけても、「なに言ってんですか。まだ、明るいじゃないですか。ダメダメ」と、厳しい。
 雨が降ってのら仕事ができないと、合羽を着込んで釣りに行く。決して手ぶらでは帰ってこない。
 夜は毎晩、酒を飲みながら法律の講義。なにせ受験生だからよく勉強している。母ちゃんなんか、真面目な顔して、「夫が浮気したときの離婚訴訟は、慰謝料は」とか、「夫が死んだときの財産分与は」などと質問責め。おいおい。
 客人が働いているのに、園主が遊んでるわけにいかず、とにかく、「さんざん働かされて」1週間、ピアノの練習もできず、ホームページの更新もままならず、なのでありました。 
キス網漁
 キス網の初おろしをした。
 例によって、佐藤師匠に手本を見せていただく。キスは潟の底にいてあまり激しく動かないので、潟に網を入れたら、チェーンの固まりをロープで引きずって音を立てて脅かし、網に追い込むのだという。
 佐藤師匠がやったら5匹入った。「分かった?」「はい、分かりました」ということで師匠と別れ、場所を変えてヤマちゃんとふたりでやってみた。結果は、「なぜだ!」。
 でも、コノシロ網が夕方入れて翌朝上げるのにくらべ、キス網は入れてすぐ上げるのでおもしろい。気の短い父ちゃん向けの漁であることが分かって、間違いなくハマりそう。 
チヌ網漁
「キス捕れなかったてや。おれなんか、きょう30匹釣ったよ。いまからチヌの夜ぶりに行くけど、金子さんも見に来てみんね。まだ見たことないって言ってたでしょう」と、ノリ坊から電話が入ったのが夜9時過ぎ。例によって酔っぱらってる。「酒飲んで船に乗ったらヤバイっしょう」「よかさ!」。
 酔っぱらいの若者4人を乗せた船のあとに付いて行く。
 瀬の際に網を入れ、一人が船縁を木の棒でドンドコ、ドンドコ叩き、一人が波面をバシャバシャ叩き、一人がエンジンを空ぶかし、もう一人がペーロンの櫂で船を漕ぐ。そして、頃合いを見計らって網を上げる。それだけでも十分おもしろかったが、網に引っ張られて(酔っているので)ノリ坊が、ドッブーン!。
「おーい、チヌはそうやって捕るのかい」「違う、ちがう」。 
ホトトギス
「トッキョ キョカキョク」。
 ホトトギスが鳴きだした。ホトトギスは飛びながら鳴く。ホトトギスが鳴き出せばもう、夏だ。