平成14年6月28日 Vol 52
わらぞうり
 わらぞうりを編んだ。わらぞうりを編むのは、やさしくはない。前にも一度、佐藤さんに教わって編んだことはあるのだけれど、すっかり忘れちゃってる。そこでまた、師匠にお出まし願って再度、教えを請う。わらは、去年の秋に収穫したときのものをちゃんととってある。
 工程はだいたい次の通り。
1、わらをすく(わらすぐりという)。きれいな芯だけを残すわけね。
2、それを木槌で何度も叩く(わら打ち)。やわらかくして編みやすくするわけ(写真左)。
3、わらでコスリをつくる。これでわらをしごく。
4、ぞうりの芯となるところをなう(写真左から2番目)。
5、それにわらを編んで行く(写真3番目)。
6、はなおをつけて完成。
 と、書けばこれだけだけど、これがなかなか簡単にはいかないんだな。特にはなおをつくりそれをつけるところがむずかしい。師匠はさすがで、すいすいと編み上げてしまうが、父ちゃんは四苦八苦。なんとかかたちは出来たものの、両方がきれいに揃わない。師匠が子どもの頃は、靴もなかったので学校へ履いていくぞうりは自分で編んだそうな。昔はみんなそうやっていたそうだけど、もう、父ちゃんみたいな変わりもんが頼まない限り、やる人はいない。見ていてその見事さに感動するけど、やがて、こういうわざも消える。
1歳の誕生日
 こちらの風習で、子どもや孫の1歳の誕生日に、わらぞうりを履かせてモチを踏ませるという祝いの行事がある。たまたま娘が1歳になる孫を連れて帰省していたので、それをやろうとわらぞうりを編んだ。庭においてある石臼で紅白のモチもついた。これで元気に育ってくれる。
 モチを踏ませたあと、こんどは、おぼんにボールペン、電卓、お金などを乗せておいて、はちまきをさせた子どもに這って行ってとらせるということもさせる。子どもがボールペンを握れば勉強家に、電卓を手にすれば商売人に、またお金をつかめば将来はお金持ちになるというようなわけだ。孫のパパは、野球の選手にさせたいと願っているというので、野球のボールも乗せた。
 口上もある。
「鶴は千年、亀万年、浦島太郎は八百年。凛(孫の名前)は百まで、わしゃ九十九まで。共に白髪の生えるまで。ヨーイ、ドンドン」。
 で、孫は何を手にしたか。ボールペンが気に入ったようで、さすが父ちゃんの孫。パパのためにもう1回こんどはボールをとりやすいように前に置いてみたが、見向きもしないで千円札をつかんで口へ持っていった。
桃ジャム
 桃がいっぱいとれた。みずみずしくて超美味。春に山ちゃんが摘果をしてくれたので大きい。網をかぶせたのでカラスやヒヨの被害も少なかった。
 去年はあちこちに送ったが、桃はすぐ傷むのでことしは県外の人には送らなかった。とても食べきれないので、ジャムをいっぱいつくった。ラベルもはった。駄洒落シリーズで、「ある恋の桃がたり」「桃のけ姫」「桃見遊山」「桃尻娘」「桃い香り」「桃レンジャーむ」など、いろいろ。どれも、ももすごくおいしい。  
田んぼの草取り
 田植えをしてからちょうど1ヶ月。草取りをした。
「うちは薬をかけたから草は生えとらん」と近所の人たちはみな涼しい顔だけど、我が田は草が元気いっぱい。ことしも旧式の草取り機に活躍してもらった。といっても、この草取り機、使ってみると、みんなが放棄したのが分かる気がしてくる。やたら疲れるのだ。
 ちょうどこの日、小学6年生が、米づくりの社会科学習で見学にきたので、体験させてみた。これはなんていう機械ですかと聞くから、「これはね、田んぼ用手押し式ゴリゴリ回転メチャンコ疲れる草取り機っていうんだよ」と教えてやった。
週刊ポスト
 7月1日発売の「週刊ポスト」に、父ちゃんのことが載るって言ってきた。「50歳で会社大脱走」というような企画らしい。詳しいことは分からないが、だいたいの検討はつく。