平成14年11月15日 Vol 65
新橋の夜
 11月8日から13日まで、東京へ行って来た。
 8日の午後上京し、夜は例によって新橋の料亭、「独楽」で古い友人たちと旧交を温める。
 トライアスロン仲間のイイダちゃん、それにマラソン仲間のウッシー、ヤナシー。趣味の仲間はいつ会っても話が弾む。弾みすぎてすっかり酔っぱらってしまった。
 久しぶりに足を取られてゆらゆら、ふらふら。地下鉄に乗って帰ったのだとは思うのだけれど、記憶にない。ウッシーさんには、いつもお世話になります。ごちそうさまでした。  
 
還暦同窓会  
 
9日。二日酔いで熱海へ。駅前で高校時代の仲間、石綿、栗山、副島、中根と落ち合う。
 2台の車に分乗して伊豆高原にある和田の別荘へ。夜、金澤が加わって悪友7人衆が勢揃い。
 還暦のお祝い・その1をしようと集まったわけ。
 全員、かあちゃんに同行を断られたので、買い物、掃除、洗濯、台所、ぜんぶ野郎だけで執り行う。とは言え、単身赴任経験者や恐妻家ばかりなのでみんな、手つきは慣れている。ちなみに、この会の名前が、「ヤロー会」。前回の長崎大会以来、2年ぶり。父ちゃんは、ひとりだけ遠来客ということで、殿様扱いにしてくれる。
 温泉に浸かって飲んで食ってドンチャン騒ぎの3日間は、かあちゃんたちにとっても息抜き手抜きの清々晴れ晴れ休暇。
 10日は、三筋山ハイキングで汗と酒を流して、夜はまた裸踊りの饗宴。バカはいくつになってもバカなのであった。
 11日は、伊豆スカイラインを通って箱根へ紅葉見物。今年の紅葉はたいしたことないと嘆き、まずくて高いそばを食べて怒り、大湧谷で黒玉子を2個ずつ食べて喜び、それでもいい旅だったと、来年は京都でヤローぜと約束して散会したのであった。みなさん、ごちそうさまでした
移動寿司屋
 11日。箱根から帰って、夜はお仕事。雑誌『夢田舎』の本條編集長に電話すると、「ちょうどよかった。初校が出たので校正してください」とのこと。青山の喫茶店で待ち合わせてコーヒーを飲みながら校正。
 終わって、「寿司が食べたいなあ」と言ったら、スゴイ寿司屋に連れて行ってくれた。いや、スゴイ寿司屋を呼んでくれた。
 バンを改造して車の車内を寿司屋にしてしまった移動式寿司屋。クルマだから、呼べばどこへでも来てくれる。有名スポーツ選手や有名文化人が好んで利用しているとのこと。夜景を眺めながら、貸し切りで一杯やるのは、なかなかオモシロイものがあった。ヒロコさん、ごちそうさまでした 
引き回しの刑
 12日。日体大の今井教授がウエルカム・ツアーを企画開催してくれた。
 午後2時、日体大・横浜健志台キャンパスをスタート。各グランド、体育館を見学の後、某高級スポーツクラブに案内され、ジム、スイミング、サウナで汗を流す。さっぱりしたところで、先生なじみのお店へ。
「お待ちしておりました」と美人女将がお座敷へ。
 セットされたテーブルを見てびっくり。ジャック・ダニエルが置いてあるではないか。しかも、「マスター」が。
 グビリ、グビリとやれば、秋深し腹にしみ入る虫の声。
 「余はいささかよい心持ちになったぞ」と言うと、「あいや、まだまだ早うござる」と、放してくれない。
 「いや、明日のことがあるので、そろそろ…」、「何をおっしゃいます。明日は明日です」。
 「でも…」、「では河岸を替えましょう。実は、二次会の席をとってありますので」
 というわけで、強引矢のごとし。ちょっと歩いて、ウエスタン・バーに押し込まれる。
 「いらっしゃーい。あーら、金子さーん、お待ちしてました」と、草笛光子ふうのママさん。
 カウンターには、ここにもジャック・ダニエル、しかも、「マスター」が。
 そこで、いろいろあって、先生はカラオケで、「青春時代」を唄って、最初のお店に戻って、そこの女将さんに宿までクルマで送ってもらって、寝たのは何時だったか。
 今井先生、ごちそうさまでした。  
講演
 そして、13日。
 朝8時。用賀駅前で待ち合わせ。「いやー、あれからまた飲み直して…。どうです、よく眠れましたか」
 「あのねー」。
 
 9時から講演。
 日本体育大学・東京世田谷キャンパス深沢校舎7号館741号室。
 社会体育学科「レクリエーション支援論」
 (日本レクリエーション・コーディネーターの資格をとるために必要な授業)。
 黒板には大きな字で、「本日のゲスト・スピーカー 自給自足の田舎暮らしの鉄人 金子数栄氏」と書かれてる。
 階段教室に、2年生の男女学生200名がほぼ満席。「いつもより多いです」と、助手の吉川先生。
 題名は、「プレジャーライフの実践 自分流の生き方を探して」。
 
 はじめは多少ざわついていたが、やがて静かになり、途中で誰も眠りこけている者がいないのに気づく。
 「トライアスロンを通して、やる気になって努力すればなんでも出来るということを学び、リストラをチャンスととらえ、夢の実現に向けてチャレンジした」というようなことを、ありのまましゃべった。
 予定時間通り、10時30分終了。
 出来はどうだったのか。自分では分からない。でも、たくさんの拍手をもらった。 
 終了30分後、200名の感想文を頂いた。
 帰る途中、浜松町からのモノレールの中で読んでいたら、涙がこぼれてきて読めなくなった。
 多くの若者が、自分の人生について真剣に悩み、考えていることを率直に語り、元アイアンマンいま百姓のつたない話が、彼らのココロにピコンと触れ、それを喜んでくれたことを知って、感動してしまった。
 機内でまた、目頭が熱くなった。
 またひとつ、宝物ができた。