平成15年1月30日 Vol 72
一筆啓上賞
 「自慢たらたら話はやめろ、おもしろくない!」というお叱りメールを、新年早々もらった。
 確かに自慢したな。やれウニが大漁で軍艦巻きがうまかったとか、やれエッセイで賞をもらったとか。ハイ、反省します。
 「エッセイで賞をさらって世界旅行なんて汚えぞ。職業が農業だと言うが、もともとお前は物書きじゃねえか」というお叱りメールも届いた。
 確かに10年前までは編集者でした。スミマセン。反省します。
 「テレビや雑誌にしょっちゅう出て、どういうつもりなんだ。ひっそり暮らすために田舎に行ったんだろう」という、お叱りの電話も、知らない人からいただいた。
 別に、ひっそり暮らすために田舎暮らしを始めたわけじゃないが、確かにテレビや雑誌にはちょっと出過ぎたな。うーん、反省しようか。
 というわけで、ココロを入れ替えようとしていた矢先。
 1月29日、1通の電子郵便レタックスが届いた。
 差出人は、福井県丸岡町の一筆啓上賞事務局。
 あけてびっくり。ありゃまっ。
 「…八万三千五百十三通の選考を重ね…あなたの作品が、最高賞の、「一筆啓上賞」に決定しました。おめでとうございます…」
 いやいや、まいったな。また怒られちゃうぞ。これはみんなに内緒にしておかねば…。  
ズームイン
 で、誰にも言わず、君子さんにもカンコウレイ。とぼけていたら、翌1月30日朝のこと。
 寒いので漁を休み、朝寝を決め込み、布団の中でたまたまズームインなんとかというテレビを見ていたら、「昨日行われた福井県丸岡町、一筆啓上賞の発表の模様を…」と言って、作品を紹介しはじめたではないか。で、いきなり出てきたのが父ちゃんの作品。テロップも流れて、(金子数栄)と出ちゃった。こりゃまた、どういうこっちゃ。テレビで言われちゃバレバレだ。
 「新聞で見て驚いた」という連絡も入った。
 案の定、すぐメールが来た。「訴えるぞ」。
 勘弁してクダサイ。
雪見酒  
 1月29日、朝から雪。じゃんじゃん降って一面銀世界。
 午後、♪♪薪を担いでやつが来る。
 つぐちゃん。「露天風呂で雪見酒をせんば!」。
 外は寒いので、玄関で服を脱ぎ、庭を突っ走る。素っ裸のバカ男が二人。
 「ウッヒョー、寒みぃー!」「ドッボーン」
 「ヒャッ、ヒャッ」「どっぼーん」
 「うわー、極楽だあ」
 顔に当たる雪が、何ともいえず気持ちいい。
 二人だけじゃもったいないので、ヨースケに電話する。「いま露天風呂で雪見酒をやってるとこ」と言ったら、仕事を放り投げて若いカミサンと二人で長崎から飛んできた。
 「おーい、湯加減はどうだい」。二人で合唱、「最高でーす」
町長、助役
 露天風呂から上がって、飲み直し。
 飲みながら、NHK衛生2、『人生自分流』をみんなで見る。
 放送が終わると、例によって電話がじゃんじゃん鳴る。
 「助役さんからです」「町長さんからです」と君子さんが受話器をとりつぐ。
 プロゴルファーのせいちゃんからも、「見たよ」とかかってきた。
 またテレビに出ちゃったけど、これは再放送だからな。怒られないよな。
晴耕雨読
 このところ、雪が降ったり、強風が吹き荒れたり、雪の中でカミナリが鳴ったりの悪天候続きで金子農園は大型連休。といっても、どこかへ出掛けるわけじゃない。金もないし。
 外に出られないので毎日、晴耕雨読の「雨読」のほうをやっている。うまいこと、図書館から何冊か借りてきていたので、読書ざんまい。夜は酒ざんまい。読んで、飲んで、寝るの毎日。
 「雨読」だけでは、「晴耕」のほうに申し訳ないので、夜は本格焼酎、「晴耕雨読」をいただいている。うまい!