平成15年2月12日 Vol 73
鬼は外、福は内
 2月3日、節分。
 尾戸ならではのお楽しみ行事。日が暮れると、地区の子供達が豆まきに来てくれる。
 ことしも、ちびっこの七福神がやってきた。いや、ことしは人数が少ない。四福人しかいない。
 「すみません、少子化で揃わないんです」。
 玄関で口上が聞こえる。
 「あきほより参りました七福神でございます。鎮西将軍国、摂津の守・源の頼光がしょうじヶ岳というところに鬼が住みかをなすかなさぬかというときに始まった鬼豆なり…」
 家に上がってきて豆をまいてくれる。
 「鬼は外、鬼は外、福は内、福は内。…舞い込んだ、舞い込んだ、福の神が舞い込んだ。親も代々、子も代々、代々伝わる福恵比寿。福はこの家に、どてん、どっさり」
 いいねえ!
 「ありがとう。ありがとう。はい、これでお菓子でも買って。ありがとうね」
春が来た。
 2月4日、立春。
 暦の上だけの春だったが、それから数日、9日には本当の春が来た。3月下旬か4月上旬並のポカポカ陽気。俄然、野良仕事も忙しくなった。
 桃を剪定し、サトウキビを収穫し、野菜畑を耕し、堆肥を運び、ビニールハウスをもう1棟組み立てる。Tシャツ1枚でも汗びっしょりだ。
 ツルの北帰行も始まった。 
梅の香り  
 水仙が満開。梅も満開だ。
 窓を開けると、梅の香りがふわーっと…。
 庭に紅梅、白梅が5本、畑に20本。
 メジロもにぎやか。
 連日、風が強くて漁に出られない日が続いているが、丸太小屋に防腐剤を塗ったり、庭のいすをつくったり、牡蠣いかだの準備をしたり、芝かごの修理をしたり、薪を割ったり、野良仕事以外にもやることはいっぱい。
越前の旅
 ご招待がきた。4月20日、一筆啓上賞の授賞式。
 こういうのは好きじゃないんだけど、いろいろあって行かなければならないことになった。
 越前には、30年ほど前に一度、旅したことがある。東尋坊を見た。芦原温泉にも泊まった。
 不思議なことに、そのときも4月20日だった。なぜ30年前の日にちを覚えているのかは、あとで書く。ちょっとわけありで、いまは書けないのさ。