平成16年1月2日 Vol 94
畑から初日の出を拝む
 平成16年元旦。新年あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い申し上げます。
 
 午前0時きっかりに、近所の八幡神社へ初詣。君子さんと二人でジャラジャラ、パンパン。家族の健康をお願いする。くねくね曲がった真っ暗な田舎道、懐中電灯の明かりを頼りに、崖から落ちないよう腕を組んで注意しながら歩く。行きも帰りも誰にも会わず、参拝客は3組。去年より1組多い。暖かい年明け。遠くで花火の音。再建をはかるハウステンボスか。
 1時就寝、7時起床。
 下の畑でカメラを構えて待っていると、まん丸の太陽が昇ってきた。新年にふさわしい見事な初日の出。思わず手を合わせてしまう。風もなく穏やかな朝。車の音も、耕耘機の音も、人声も聞こえない。聞こえるのは小鳥の声だけ。海も静かだ。
 かしわ手の音に振り向くと、庭で君子さんが太陽に向かって手を合わせてる。いつの間に起きてきたのか。珍しいこともあるもんだ。早起きするなんて、何か期すことでもあるのか。気をつけよう。

たった2kmの走り初め
 膝を痛めてランニングを控えていたが、初日の出を見るとなぜかむずむずしてくるのはいつものこと。着替えて走り出す。人っ子一人通らない町道を元旦ラン。
 でも、1km行ったところで、案の定、膝がキリキリ。仕方なく折り返す。
 どうして故障ばかり続くのか。肩も痛むし。走りたいのに走れない。結構、努力はしているつもりなんだけどなあ。トシなのかなあ。
 風呂に火をつけ、薪を放り込む。乾いたみかんの木はぱちぱちと音を立ててよく燃える。立ち上る白い煙。火の色も、煙の匂いも、気持ちを和らげてくれる。そう、そのうちまた、走れるようになるよ。そうだよな。
 窓を開け放つと湯気が流れ、朝の光が飛び込んできた。海を眺めながらの朝風呂は、うーん、こりゃ、10年長生きしそうだぜ。
 
うまい料理にうまい酒
 朝湯のあとは、朝酒。これが元日。これ現実。
 足袋をはき、着物を着せてもらって、(君子さんは着付けの先生もしている)あらためて新年のごあいさつ。「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」。
 年々、父ちゃんのよろしくお願いしますに力が入る。ほんと、いまからお願いしておかないとな。
 
 まずはお屠蘇をいただいて。
 酒はガンちゃんから送ってもらった賀茂鶴大吟醸とサイトーちゃんの浦霞、それに娘の舞がくれたジャック・ダニエル。
 おせちは、いただきものと自前の食材。副島が送ってくれたマグロのトロ。それにヒラスの刺身。ミズイカは自前。パセリ、ハラン、ツマのダイコンは畑から。海から上げてきたナマコはダイダイで食べる。お重には黒豆、田づくり、お多福豆、それに昨日捕ったウニ。お煮しめは、ゴボウ、ニンジン、ハス、シイタケ、アゲ、コンニャク。それにカズノコ、紅白カマボコ、ユズナマス、厚焼き玉子。おあとはブリの塩焼きに、石川のサトシが送ってくれたズワイガニ。うー、つばが出てきた。
 デザートはみかんのカンテン。そして雑煮。小松菜、ユズ、角餅の東京風。餅は石臼でついた。そうそう、宇都宮のヨーコちゃん、日高昆布おいしゅうございました。
 
恐れ多くも天皇様
 ああ、飲んだ飲んだ、食った食った。動けねえよお、というところで、さーて、新聞でも読むか。昨日遅くに朝日新聞社から電話があって、確か、父ちゃんの記事が元旦の紙面に出るって言ってたぞ。あった。うわ、写真まで出てる。
 「ゆーっくり、ゆーったり」か。そう、なんでも効率、なんでも経済優先、捨てましょう。
 あれれ、マイッタなあ。「新年を迎える天皇ご一家」の上に載っちゃってるよ。しかも扱いが断然大きい。恐れ多くも天皇様。ごめんなさい。ワタシの責任じゃありませーん。