アリオク


前200年頃『創世記』第14章(日本聖書協会訳『聖書』iconより)
 シナルの王アムラペル、エラサルの王アリオク、エラムの王ケダルラオメルおよびゴイムの王テダルの世に、これらの王はソドムの王ベラ、ゴモラの王ビルシャ、アデマの王シナブ、ゼボイムの王セメベル、およびベラすなわちゾアルの王と戦った。これら五人の王はみな同盟してシデムの谷、すなわち塩の海に向かって行った。
 「アリオク」というのは、本来は人名として使われていたらしく、ここではエラサルの王の名前として登場している。

前200年頃『ダニエル書』第2章(日本聖書協会訳『聖書』iconより)
 そこでダニエルは、王がバビロンの知者たちを滅ぼすことを命じておいたアリオクのもとへ行って、彼にこう言った、「バビロンの知者を滅ぼしてはなりません。わたしを王の前に連れて行ってください。わたしはその解き明かしを王に示します」。
 これも同じく、バビロンの兵士の名前として登場。

1667年ミルトン『失楽園』icon第6巻(平井正穂訳/岩波文庫)
 アブデルも拱手傍観していたわけではなく、神を無視し冒とくした敵を求めて奮闘し、アリエルやアリオクや凶暴なラミエルに再三襲いかかり、灼熱の苦痛を与え、竦みあがらせ、圧倒した。
 ミルトンは人名だった「アリオク」を堕天使のひとりとした。注釈には、「獅子の如き者」を意味するとある。

1812年コラン・ド・プランシー『地獄の事典』アリオーシュの項(床鍋剛彦訳/講談社)
 一部の悪魔学者によれば、復讐の魔神であるという。ただし、アラストールとは違って、自分を雇った者の個人的復讐にのみ手を貸す。
 「アリオーシュ」となっているが、スペルは同じ「arioch」だ。「一部の悪魔学〜」となってるが、その典拠はまだ未調査。



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