タブリス


1856年エリファス・レヴィ『NUCTEMERON』『幻想図書館』調査依頼&情報募集No.1313参加者訳)
 タブリス 自由意志の鬼神。
 タブリスはアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』iconの渚カヲルの使徒としての名前として使われたため、名前は知っているという人も多いかもしれない。恐らく、『エヴァ』のスタッフは、マルコム・ゴドウィンの『天使の世界』iconを参考にしたと思われ、同書の107Pには他の使徒の名前もあがっている。また、『悪魔の事典』iconにも項目があがっている。これらの原典はこの『NUCTEMERON』にあり、テュアナのアポロニウス(紀元1世紀のギリシア哲学者)著とされる、偽書である。世に出たのは1721年のギルベルト・ガウティリヌス『De vita et morte Moysis』の3巻206pに収録されたのが最初らしい。これをエリファス・レヴィが仏訳し、『高等魔術の教理と祭儀』のサプリメントとして収録した(残念ながら人文書院刊の邦訳ではカットされている)。「6時の鬼神」の1人としてあげられており、他にはSUSABO、EIRNILUS、NITIKA、HAATAN、HATIPHAS、ZARENの7人が6時代担当である。「鬼神」と訳した部分は「genie」或いは複数形「genies」 で、英語の「Genius」にあたり、たぶん「ダイモーン」に近い感じだと思う。『悪魔の事典』iconによれば、アラブの「jinn」を語源としているとのこと。



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