A BAD FRIEND 平成14年
7月8日
ああ言わなくても
   交遊録
BAD2
これがオイラのバカ・トモダチだ!
えんちょう
(住所不定。年齢・自称56歳。某町保育園園長)
☆
誠実・実行の男である。
と、選挙のポスターには書いてある。
上の写真は、そのときのポスターだ。
町議選に出馬し、トップ当選した。
オイラも応援した。
畑で仕事していると、選挙カーで通って、
「金子さーん、お仕事ご苦労様です。
今晩、遊びに来てくださーい。うまい焼酎があります」
とマイクで叫ぶ。
そういう男だ。
つぎの選挙で落選した。
そういう男だ。


これは、オイラが描いた。
園児を連れて、オイラの家にしょっちゅう遊びに来る。
そのときのスケッチだ。
ナタで木を切って刀を作り、園児全員に持たせて
チャンバラごっこをさせる。
高い崖を登らせる。
怪我をして泣けば、
「それくらいで泣くなー!」と叫ぶ。
都会の保育園なら、間違いなくモンダイになる。
でも、地元では誰もモンダイにしない。
なぜなら、「えんちょう」だから。
そういう男だ。

☆
キジバトのつかまえかた、羽根のむしり方、
タヌキのワナのかけ方、タヌキ汁の作り方、
鶏のさばき方、エイの料理法、
マムシ酒の作り方、
何でも教えてくれる。
☆
よくしゃべる。
サービス精神旺盛だから、話は面白い。
でも、面白い部分は、たいがい作ってる。
「えんちょうの話は半分に聞け」と、
誰もが言う。
☆
「誠実」かどうかは意見が分かれるところだが、
「実行」は嘘じゃない。
「過疎の町にしてはならない」と公約し、実行した。
若くして奥さんに死なれ、男手ひとつで
子どもを育てた。

最近、再婚し、子どもを二人もうけた。
少子化で保育園の経営もむずかしくなっているからか、
自分で園児を増やす。自給自足。
そういう男だ。
☆
同居している長男にはすでに子どもがいる。
そこへ親父(えんちょう)の子どもが出来た。
親父の子どもより、長男の子どものほうが年は上。
長男の子どもにしてみれば、じいちゃんの子どもは
女の赤ちゃんではなく、おばさんだ。
子どもたちに理解できるだろうか。
白髪のえんちょう、会う人ごとに、
「かわいいお孫さんですね」と言われ、くさってる。