A BAD FRIEND 平成14年
7月5日
ああ言わなくても
   交遊録
BAD1
これがオイラのバカ・トモダチだ!
はまちゃん

住所不定。年齢55歳くらい。元某町役場課長
強引な男だ。
ニッポン広しと言えども、こんな強引な男は見たことがない。
いきなり、夜中の12時頃、押し掛けてくる。
「うちのお父さん、もう寝てます」とカミサンが応対しても、
「起こせさ。まだ早か」とわめく。
ひとしきり飲んで、ケイタイで若い部下、または近所の若者を呼びだし、
「迎えに来てくれんね」と無茶を言う。
「いま、金子さんちで飲んどっとさ」
毎回、必ず誰かが迎えに来るのには驚くが、カミサンだけは来たことがない。
飲んだら乗らないのにはわけがある。
飲んで事故った過去があり、懲りているのだ。
降格人事も数回経験。仕事は出来るから、すぐまた復活。
下降、上昇を繰り返す、エレベーター人生。


「金子さんのところへは行かないでください」と、
カミサンから言われてるらしい。
「すぐ感化されて何でも始めてしまうから」
初めは自転車だった。
ひとりでは不安なので職場の部下3名にも自転車を買わせて、
山岳レースに出場。最下位だったが完走したのは立派。
元国体のボート選手だったので根性はある。
その後、練習中に車に接触され怪我。自転車はカミサンに止められている。
つぎがマラソン。ぶっつけ本番で指宿マラソンに出場。
8時間かかって、それでも帰ってきた。
職場の部下を集めて、ミニ・トライアスロンにも参加。
部下は泣いている。
オイラがピアノを始めたと言うと、ドラムを始めた。
夜、倉庫でドンドン、ジャーン。
「夜中に工事はしないでくれ」と、近所の人から怒鳴り込まれた。
なんでもやりたがるのは、オイラと一緒。
牛は牛づれ、馬は馬づれ。

船道楽で、クルーザーに金をつぎ込む。
「給料はぜんぶ海に捨てている」とカミサンが嘆く。
それでも、男・はまちゃん、胸を張る。

「船は男のロマンじゃけん」