A BAD FRIEND 平成15年
5月18日
ああ言わなくても
   交遊録
BAD21
これがオイラのバカ・トモダチだ!
ほんじょうくん
(住所・不定 年齢・不詳 職業・不明)

自分が、「若いやつ」という言い方をしたのは一体、
いつ頃からだったろう。
詳しいことは覚えてないけれど、それは多分、
オイラがトライアスロンを始めた頃だったような気がする。
45歳の時だ。
若い仲間と一緒になって練習し、レースに出て、
「勝てない」と分かった時、「あ、おれはもう、若くはないんだ」
と実感した。
それまでは、野球でも、山でも、ゴルフでも、
そう、仕事だってまだ、自信を持っていた。

ちょうどその頃、
この男に出会った。
若くて、ライバル誌の編集長で、
「いい文章を書くな」と意識し、名前は知っていた。
たまたま、ハワイで一緒になる機会があって、
数日間、一緒に過ごした。
センスがよく、明るく、雰囲気があって、品がある。
英語もペラペラ。それでいい文章を書かれたんじゃ、
とても勝ち目はない。
自分の潮時を悟った。

それから、10年後、
不思議な再会を果たす。
オイラはいろいろあって、長崎に下って百姓。
この男もいろいろあって、雑誌、『夢田舎』の編集長。
長崎まで訪ねてきた。
原稿を書けと迫る。
よいしょのうまさは天下一品。
人柄の良さと、おだてに乗せられて書いたら、
『田舎暮らしの鉄人』と、また持ち上げられた。
あとはズルズル。
「また原稿をいただきに行きまーす」
とわざわざ東京からやって来て、飲む。
素朴な田舎料理が好きで、
何を出しても、
「すっごーい。おいしーい」
だから、妻よろこぶ。

元ラガーマン。
いまビアだるマン。
カラダの幅も広いが、活躍の場もマルチ。
きのうはロンドン、きょうタヒチ。
編集長のかたわら、プロダクションの代表、
ディレクター、プロデューサーもこなす。
愛妻家にして、愛犬家。
しかしてその実体は、
陽気な飲み助。