A BAD FRIEND 平成15年
8月1日
ああ言わなくても
   交遊録
BAD23
これがオイラのバカ・トモダチだ!
タカシ
(写真右 住所・不定 年齢・不詳 職業・不明)

福岡から電話してきて、
一度お邪魔していいですかと言うから、
どうぞと応えたら、
翌日、
久保田を下げて、やって来た。
田舎暮らしをしたくて、これこれこう思って
いるのだけれど出来るでしょうか、と言う。
顔を見たら、怪しい面構えをしているので、
「あんたなら出来るよ」と、
深く考えもせずに言ったら、
こいつ、
深く考えもせず、「やった!」と叫び、
「今晩、泊めてください」と図々しく、
露天風呂に入り、持ってきた久保田を半分飲み、
酔っぱらって寝ちゃった。
カアチャンもカアチャン。
似たもの夫婦。

1週間後、
「会社辞めました」と言って、また来た。
こんどは、「弟子にしてくれ」と迫る。
また、久保田を下げてきたので、
断り切れず、弟子にする。

1ヶ月後、
「北海道に土地を買いました」
と、電話してきた。
勇気を出せた自分に自分で感動した、
夢が実現する、
と泣きながらしゃべった。

1年後、
「建ちました!」
と、メールに写真をたくさん添付してきた。
立派なログハウス。
羊蹄山がドカンと間近に見える。

賞金50万円のエッセイに応募したいから、
添削してくれと、下手な文章を送ってきた。
直しても直しきれなかったが、とりあえず直して
応募させた。
もし賞金をもらったら、それで北海道へ招待する
と約束して。
でも、落ちた。
不肖な弟子を持った師匠はいま、
北海道無料招待のエッセイ募集を
探しているが、まだ、ない。