A BAD FRIEND | 平成16年 5月8日 |
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ああ言わなくても 交遊録 |
BAD30 | |
これがオイラのバカ・トモダチだ! | ||
やとう | ||
(住所・不定 年齢・61か62 職業・米屋) | ||
☆ 小学校時代からの、いわゆる竹馬の友というやつで、 あまたいる悪友の中でも、最も古い悪友のひとり。 オイラのことを、いまだに、「かずちゃん」と呼ぶのも、 こいつを含めてもう、数人しかいない。そのなかでも、 いまだに年賀状をくれるのは、こいつひとりだ。 ☆ 小学校時代、野球はオイラのほうがうまかった。 でも、相撲はこいつのほうが強かった。 勉強はオイラのほうができた。 でも、気持ちはこいつのほうが優しかった。 時過ぎて、お互いに結婚。 オイラは九州から嫁さんをもらった。 こいつは隣の家から嫁さんをもらった。 オイラは糸の切れた凧。。 こいつは自分の生まれ育った土地を 大事にするやつだった。 オイラは東京を捨てた。 こいつはまだ生家で家業をついでいる。 えらいやつだ。 ☆ 昨年上京した折、何十年ぶりかでこいつの 家を訪ねた。米屋をしている。 ガラス戸をのぞくとかみさんがいたので、 「すみません、ちょっとお尋ねしたいんですが…」 ととぼけると、 「えっ、かずちゃん?」ときた。 いいねえ。驚くねえ。 商店街の女将さんだねえ。 何十年もたってるのに一発だもんね。 で、もう一計。 もうすぐ配達から帰るというので、 じゃ、帰ってきても後ろを向いていて びっくりさせようとなった。と、やつが帰ってきた。 「あれ、かずちゃん、どうしたの」だって。 顔も見てないのに、何十年ぶりなのに 連絡もしてないのに、なんで分かっちゃうの。 うれしいね。 悪友だね。 |