A BAD FRIEND | 平成17年1月19日 | |
ああ言わなくても 交遊録 |
BAD35 | |
これがオイラのバカ・トモダチだ! | ||
よし | ||
(住所・不定 年齢・不詳 職業・不明) | ||
☆ 忘れてた。 こいつがいた。 しばらく消息不明だったので、 存在を忘れてたのだが、 ちょいと訳あって探してみたら、 どっこい、生きていた。 しぶとい男だ。 ☆ 学校は違うが、同い年。 初めて勤めた会社で、気がついたら 横にいた。 入社式の日、オイラがしていたベルトのバックルを見て、 「あ、おれのと一緒だ」と叫んで、自分の腹を突き出した。 それからのつきあい。 ☆ バックルは、東京少年野球大会の賞品。 地区の予選大会を勝ち進んだ者にだけ与えられた 野球小僧にとっての勲章だった。 ☆ 会社の寮も一緒、野球部も一緒、行動も一緒、 だから、目を付ける女性も一緒。 でも、いつもオイラが先手を打つから、 こいつは後手に回る。 それでもついてくる。 悪いことはぜんぶ教えたが、 不器用でなにも覚えなかった。 ☆ オイラがピッチャー、こいつがキャッチャー。 ドカベンみたいなブンブン丸の強打者だった。 仕事っぷりも同じで、 いつも鼻の頭に汗を光らせ闇雲に走り、 ホームランを打ったり、三振をしたりしていた。 「サイ」みたいな男で、単純明快、 ただひたすら真っ直ぐ突っ走る。 それがこいつの長所であり、 また短所でもあった。 ジョサイはないが、サイカクもない。 バクサイもないし、ブンサイもない。 ただ、ショウサイとアイサイには恵まれた。 若くして独立し、 そこでもまた成功と失敗を繰り返したが、 人間万事サイ翁が馬。 いま、サイタマでしっかり再起している。 気持ちのいい男だ。 |