A BAD FRIEND 平成22年9月8日
ああ言わなくても
   交遊録
BAD44
これがオイラのバカ・トモダチだ!
おけいさん
(住所・不定 年齢・不詳 職業・不明)

『おじいさんの台所』で日本エッセイスト・クラブ賞
を受賞している。作家である。
オイラのエッセイを読んでくれて、
わざわざ東京から尾戸まで会いに来てくれた。
大村湾のナマコを食べさせたらすっかり気に入って
それから毎年、声がかかる。

日本で初めての女性ばかりの会社
『アイデア・バンク』を設立。
日本の生活文化を伝承させるために
『傳承塾』も立ち上げ、
近年は、高齢問題に取り組み
『オパール・ネットワーク』
を主宰している。
全国を講演活動で飛び歩き、
九州へ来ると必ず、尾戸まで足を伸ばして
寄ってくれる。

琴海町でも講演してよと頼んだら、
「いいよ」と軽く引き受けてくれた。
我が家に泊まって、翌朝、
スーツをずらりと並べて「どれが似合う?」
見たら、藤色、牡丹色、菜の花色の上下。
「女はね、いくつになってもおしゃれしなきゃ
だめなの。それが元気の秘訣!」

オイラと同じ午年だが、ひと回り上。
マラソンの話をしたら、やけに真剣に聞くので、
「70歳でやめる人は多いけど、70歳で
始める人はいないよ」とけしかけると、
本当に走り始めてしまった。それが10年前。
今年の春、
「山中湖マラソン、10回目完走果たしたよ」
と手紙をもらった。すごいお姉さま。

得度して、浄土宗の僧侶でもある。
「わたし、2号さんなの」
抱えてきた『久保田』をふたりで酌み交わしていたら
突然そうおっしゃるので「えっ」と引くと、
「お酒は2合と決めている」だって。
それ以上は決して手を出さない。
上京して赤坂の事務所に顔を出すと、
「何食べたい?」と聞くので、
「上等の寿司」と応えると、
連れて行ってくれる。