OH !JAPANESE | オドロク尾戸録 |
声に出して言われてもワカラナイ日本語 | |
その15 |
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〔きゃあなえた〕 | |
毎年、年に3回、町道の草払いがある。地域の共同作業なので、草払い機を各人持ってきて全員で地域内を走る町道をきれいにする。草が伸びるのはだいたいが暑い盛りだから、朝からとはいえちょっと動いただけで汗が噴き出る。そこでこんな声が飛び出す。 「あー、きゃあなえたぞ」 はじめは、何のことか分からなかった。きゃあなえた? 何か蛇かなんかいたのかな、と思った。 それで、ああ、びっくりしたと悲鳴を上げたのかと思った。 まるで違った。 「とても疲れた」という意味だった。 「あー、きゃあなえた。タバコにしよで」。疲れたから一服しようやということ。 「ばあちゃん、元気にしとんね」「いや、きゃあなえて、寝込みよっと」 などとも言う。 近所の悪ガキ坊主がこんなことを言うのも聞いた。 「うちのばあちゃん、カラダがきゃあなえんと、口がきゃあなえればよかとに」 |
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●バアサマの言い伝え(暮らしの知恵・格言集) | |
○葬式に新しいものは着るな。 縁起が悪いからだそうだ。そう言われれば、そうかもしれないなと思う。 でも、知らなかった。早く言ってほしかったなあ。ついこの間、地域内で葬式があった。普段なら別の組なので行かなくてもいいのだけれど、区長なので顔を出した。区長になったので、一着安い服を買ったばかり。それを着て行ったのだった。 |