OH !JAPANESE オドロク尾戸録
声に出して言われてもワカラナイ日本語
その30
〔われ〕
♪われは海の子 白波の…という歌がある。
 題名はたしか、「我は海の子」だったと思う。
 これは、言い変えれば、「おいらは海の子 白波の…」ということになりますよね。間違いないですよね。ところがですよ、長崎でこの歌を唄うと、意味が違ってくるから困っちゃうんです。「おまえは海の子 白波の…」になっちゃう。 
 長崎で、「われ」といえば、「あなた」になるんです。
 「われ」だけじゃない。「わい」も、「あなた」だし、「わいたち」と言えば、「お前たち」だし、「わが」と言えば、「あなたが」「お前が」になる。この辺ではもっとくだけて、「わりゃー」となる。「わりゃー、なんばしよっとなあ」なんて言われたら、もう、やっていけないって感じ。もう、ごめんなさいって謝るしかない。
 じゃあ、自分のこと、「われ」はなんて言うかといえば、「おい」か、「おれ」。
 女でも、自分のことを「おれ」と言うひとがいるから、聞くとぎくっとする。
 うちによく出入りしている子分で、Kという男がいる。長崎生まれの男だ。
 もうひとり、弟子でYというのがいる。こいつは大阪生まれ。
 このふたりが、話してるとアタマがおかしくなる。
K「おいは長崎生まればってん、われは大阪ね」
Y「わいは大阪や。妹がひとりおってな、その子どもが可愛いねん。ぼんぼんやから、おいでんねん」
K「おいはわがとちごうて兄弟はおらん。われがうらやましか」
おいおい、おいだのわれだの、わりゃー、どっちがどっちだんねん。

バアサマの言い伝え(暮らしの知恵・格言集)
カエルの卵は火傷に効く。
 
瓶に入れて密封しておくと、きれいに澄む。匂いはきついが、傷が跡に残らないという。やったことがないので効果のほどはわからないが、こんどカエルを見つけたらつかまえてみよう。