OH !JAPANESE オドロク尾戸録
声に出して言われてもワカラナイ日本語
その31
〔いっちょん〕
日本で初めてのまち歩き博覧会、「長崎さるく博」というのがことしの4月から10月にかけて開催されるが、それに先だってこのほど、ボランティアの観光ガイドなどを養成する、「長崎歴史文化観光検定試験」が行われた。その中のひとつに長崎の方言もあって、そこにこの、「いっちょん」が出ていた。いっちょんとは何を表すかという問題だ。さあ、分かりますか。
 もちろん、わたしはこの試験、受けたって通るわけがないから受けなかったけど、この問題だけは分かった。普段からよく聞くからね。
 答えは、「ぜんぜん」「少しも」「ちっとも」「ひとつも」という意味だ。
「きょうは、魚がいっちょん捕れんかった」
「こん頃、あの人はいっちょん顔を見せんもんねえ」
 などと使う。
 友だちに、いっちゃんという人がいる。これは本当の話だけど、以下はもしもの話。
 もしこのいっちゃんに兄ちゃんがいて、その兄ちゃんが三郎という名前で、通称さんちゃんと呼ばれていて、このさんちゃんがこのごろ、ちっとも顔を見せないとなると、これはややこしくなるよ。
 ──いっちゃんのにいちゃんのさんちゃん、こん頃、いっちょん…。 

バアサマの言い伝え(暮らしの知恵・格言集)
山桜の咲く頃イモをふせろ。
 
長崎のことしの桜の開花予想は20日だから、もう間もなく庭の桜も咲くだろう。裏山の山桜は一足早くつぼみを開かせている。
 いけねえ、イモをふせる準備を忘れてた…。山桜が咲く頃、種イモを土の中に埋めておけば、5月の末頃にツルが伸びてくる。それを切ってイモをさせと教わったんだっけ。