OH !JAPANESE オドロク尾戸録
声に出して言われてもワカラナイ日本語
その39
〔やばん〕
 近所のばあさんが亡くなり、隣町の斎場で告別式を行うというので、ご近所同士乗り合わせて車3台で斎場まで行くことになった。で、私も車を出して約束の時間に集まったのだが、ひとりだけ顔が見えない。その人もおばあさん。
 「あれ、○○さんがいないけど…」と聞くと、
 「○○さんはやばんだから…、もう行きましょう」と言う。
 え、野蛮だから置いて行っちゃうの。でも、あのばあちゃん、いつもニコニコして、どこが野蛮なんだろう。そんな人には見えないけどなあ…、と首をかしげつつ車を発車させた。運転しながら、同乗者に、「○○さんて、あんな優しい顔してて野蛮なとこがあるの」と聞くと、「はあ?」。
 「家族も親戚の人もみんな斎場に行ってしまうから、○○さんに留守番を頼んだんだって」と言われてわかった。やばん=家番(屋番?)=家の番=留守番。
 

バアサマの言い伝え(暮らしの知恵・格言集)
葬式帰りに他の家に寄ってはならん。
 
不幸を招くんだって。
 そう言えば、その葬式の帰りに、せっかく街へ出たのだからと、ホームセンターと本屋とラーメン屋に寄ったけど、そこの人たちに不幸はなかったかなあ。