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都会の常識
田舎の非常識
田舎暮らしを夢見る人へのQ&A
53 薪割り 
Q521:暑いですねえ。 A521:暑いね。


Q522:薪割りですか、この暑いのに。 A522:うん。


Q523:夏でも薪割りをするんですか。 A523:するよ。


Q524:薪割りは冬だけだと思ってた。だって薪はまだあんなにいっぱい積んであるじゃないですか。 A524:あるけどするんだよ。


Q525:どうしてですか。
A525:丸太をもらっちゃったから。いま木を切ってるから取りに来ないかって、電話をもらってね。声がかかったら行かなきゃまずいでしょ。


Q526:間に合ってるからって言えばいいじゃないですか。 A526:あのね。人が声をかけてくれたら、何を置いても行かなきゃいけないのよ。いま間に合ってるからいりませんって断ったら、もう、このつぎから声をかけてくれないでしょ。とりあえずもらえるときはもらっておくの。これは薪だけじゃなく、なんでもそう。


Q527:そうですか。それにしても、太い丸太ばかりですね。もっと細いのをもらってくれば、チェーンソーで短く切るだけで、わざわざ斧で割らなくてもすむのに。 A527:あのね。細いのは誰だってほしいの。太いのは割るのが大変だからいりません。細いのだけくださいなんてそんな贅沢は言っちゃいけないの。


Q528:じゃあ、もらうだけもらってきておいて、切ったり割ったりするのは冬になってからすればいいじゃないですか。冬なら汗かかないでしょう。 A528:あのね。木は生のうちに切ったり割ったりしておかないと手に負えなくなっちゃうの。乾燥した木をチェーンソーで切ってみな、すぐ歯が切れなくなっちゃうから。


Q529:あ、そうなんですか。 A529:鉄は熱いうちに打て、木は生のうちに切れ、ってことわざがあるだろう。知らないの。


Q530:え、鉄は知ってるけど、木は生のうちになんて聞いたことないですよ。あ、それって、いま思いついたんでしょう。 A530:そうだよ。