DOCUMENT
都会の常識
田舎の非常識
田舎暮らしを夢見る人へのQ&A
64 なまこ漁 
Q631:あのー、なまこ漁を体験させていただきたいんですけど…。 A631:え、あなた、船の免許は持ってるの。


Q632:はい。一級を持ってます。 A632:一級? すごいじゃない。


Q633:でも揺れると酔うんです。金子さんの船、揺れますか。 A633:船は揺れるよ。なに、揺れると酔っちゃうの。一級の免許持ってて?


Q634:はい。でも、できたら漁師になりたいんです。 A634:あ、そう。なまこ漁には、桁引きと、掛けの2種類の方法があって、桁引きはいわゆる底引き漁のことで、船を走らせながら底引きをする。掛けというのは、箱眼鏡をのぞいて竿で1匹ずつ引っかけて捕るやり方。いまは掛けをやってるからそれを体験してみるかい?


Q635:はい、お願いします。
A635:やってもいいけど、多分、なまこを見分けられないと思うよ。保護色してるから。クロならハッキリしてるから見えるけど。アオやアカはいても岩や泥と同化してるからわかりづらい。クロは安いから捕ってもショウバイにならないの。


Q636:なまこが全然いませんね。 A636:いないんじゃないの。いるのに見えてないだけ。ほら、そこにいるでしょ。そこだよ、そこ。その岩の陰にいるでしょ!


Q637:どこ? A637:だから、言ったでしょ。慣れないと見つけられないのよ。ほら、これだよ、これ。見えたでしょ。引っかけてみな。


Q638:竿の先の針がなかなかなまこのところまで届きません。 A638:そう。やっと見つけられるようになっても、こんどは掛けるのがやさしくないんだよ。


Q639:いやー、むずかしいもんなんですね。 A639:掛けもむずかしいけど、桁引きも簡単じゃないんだよ。


Q640:慣れればぼくにもできますかね。
A640:うーん。どうかねえ。なんとも言えねえな。