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都会の常識
田舎の非常識
田舎暮らしを夢見る人へのQ&A
78 体験民宿 
Q771:いま、消防車がここから出て行きましたけど、ボヤでもあったんですか。 A771:ああ、見てたの。消防車ね。いや、火事じゃないのよ。


Q772:じゃ、なんで消防車が…。 A772:いや、こんど、体験民宿をやることになってね、それで来てもらったの。体験民宿をやるにあたっては、消防署や保健所の許可がいるのよ。


Q773:そうなんですか。 A773:お金をいただいて人を泊めるわけだからさ、消防関係で言えば消火器と火災報知器の設置が義務づけられるの。それで、それがちゃんと設置されてるかどうかをチェックしに来たってわけ。


Q774:へえ、消火器や火災報知器なんて前からありましたっけ。 A774:消火器はあったけど、もう7〜8年たってるからね、だから、新しいのを買ったよ。火災報知器は持ってなかったからそれも買って、客室に取り付けた。


Q775:民宿って、誰でもやろうと思えば出来るんですか。
A775:普通の民宿はいろいろ難しい取り決めがあるけど、うちがやろうとしているのは農林漁業体験民宿といって、グリーンツーリズムの一環で、これは特別の優遇処置があるので、それほど厳しい規制はないのよ。


Q776:そう言えば、グリーンツーリズムって、最近よく耳にしますね。 A776:まあ、町おこしのひとつとして、県なども最近力を入れ始めていて、たまたま町内の仲間ともそういう話が出て、別に儲け商売をするというのではなく、農業の体験とか宿泊で地域のお役に立てるならということで、ね。


Q777:都会に住む人と田舎で暮らす人との交流ということですか。 A777そう、いま、そういう動きがあちこちであるでしょ。一般の家族の受け入れもそうだけど、最近は中学校や高校の修学旅行なんかでも、田舎暮らしの体験が増えてるんだって。


Q778:長崎では漁業体験もあるって聞きましたが。 A778:農業体験がグリーンツーリズムで、漁業体験はブルーツーリズムと言ってるよね。


Q779:金子さんちは、まさにどっちも体験できるじゃないですか。 A779:そうね、田んぼや畑があるから土とふれあえるし、漁や海遊びもできる。薪割り、風呂焚きなんかも一緒にやってもらう。来てもらう人は一応お客さんではあるんだけど、体験民宿では食事も一緒に台所に入ってやってもらうし、布団の上げおろしなんかも一緒に体験してもらうことになってる。


Q780:普段やりたくても出来ないことを体験できるから都会の人にとっては楽しいでしょうね。 A780:なんでもスイッチひとつの時代だから、風呂なんて薪でわかしたことなんてないだろうし、野菜や果物だってどうやって出来ているのか知らない人が多いからね。うちへ遊びに来て「わー、キウイって地面になっているのかと思ってたけど、木の上になるんだ」なんて驚いてる人もいるからね。