自給自足
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物語
自給自足で
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人生の楽園


   13 ジャム、ジュース (天然濃縮100%)
 「お前んとこの母ちゃんは、よう気張るのう」と、よく言われる。
 「お前さんは、よう気張るのう」とは、一回も言われたことがない。
 妻は、「春は毎日、寝不足状態」と言う。
 ジャムづくり、ジュースづくりで毎晩、夜なべ仕事をしているらしいのだ。
 ぼくは、いつも飲んでバタンキューだから、夜中に妻が何をしているかぜんぜん知らない。だから、この項は、すべて妻から聞いた話。くれぐれも質問はしないでいただきたい。
   わが家でつくっているジャムは、つぎの7種類だという。
 イチゴジャム、モモジャム、ウメジャム、アンズジャム、イチゴと甘夏のミックスジャム、キウイジャム、キイチゴジャム。
 キイチゴは、山へ採りに行くそうだ。ぼくは、行ったことがない。
 ジャムは、パンにつけて食べるが、ヨーグルトにかけても食べる。スポンジケーキに挟んだりもするという。わが家の手づくりジャムの特徴は、甘さ控えめ。味はぼくも知っている。
<ジャムの作り方>
1、よく洗う。
2、刻む。
3、砂糖をまぶして1時間ぐらいおいておく。
4、ホーローのなべに入れて、20〜30分、アクを丁寧に取りながら煮る。イチゴなどは強火にしないといい色が出ない。
5、熱いうちに消毒した瓶に詰め、軽くフタをして20分ぐらい蒸す。
6、さらに30分ぐらい熱湯で殺菌する。
7、温度をさまして、冷暗所へ保存する。  
 ジュースも7種類。
 イチゴジュース、モモジュース、ウメジュース、アンズジュース、クワの実ジュース、サクランボジュース、ヤマブドウジュース。
 クワの実は近くの山へ採りに行く。ぼくは行ったことがない。
 ヤマブドウも山へ採りに行く。ぼくは行ったことがない(いつ行ってるんだろう)。
 手づくりジュースの特徴は、濃縮なこと。飲むときは、水と氷で割って飲む。
 お菓子の色づけにも使うとのこと。
<ジュースの作り方>
1、よく洗って、水を切っておく。
2、クエン酸を水に溶かす。
3、そこへ果物と砂糖を入れ、4〜5日おく。フタはガーゼか紙で密封はしない。密封 すると違う物ができるんだよね。
4、ザルとガーゼでこして瓶に詰め、冷蔵庫に保存する。
5、瓶のフタは密封しない。破裂するよ。
 モモは、シロップ煮の瓶詰めもつくるし、シャーベットにもする。イチゴのシャーベットも真夏には最高。のら仕事のあとこれを食べると、生き返る。
 ところで、ジャムやジュースはなぜ、夜つくるのか。妻に聞いてみた。
 「昼間は昼間で、やることがいっぱいあるでしょう。それとね、果実はね、採って置いておくとすぐ傷んじゃうの。採ったその日に煮て、その日に瓶に詰めないと新鮮さが失われちゃうの。誰かが手伝ってくれれば、私は夜なべしないですむの。分かります?」 
 馬鹿なこと、聞くんじゃなかった。