自給自足・半農半漁・晴耕雨読の物語
自給自足で


50 本当の味 ナマの味

正月用に、東京の友人たちへ、
牡蠣やウニ、ナマコを送った。
ウニは剥いてパックにつめたものだが、
牡蠣とナマコは生きたまま。
ナマの姿で送った。

何人もの友人から電話が入った。
「牡蠣の殻の開け方が分からない」
「どうやって開ければいいのか」
ハハハ、そうか、そうか。そうだわな。
「生きたナマコは初めて見た」
「気持ち悪くて触れない」
「どうすりゃいいの、これ。うわっ、キャーッ」
ははは、騒げ、騒げ。
「牡蠣は触って指を挟まれませんか」
と聞いてきたから、
油断するとガバッと挟まれるよと
脅かしてやった。
ナマコもかみつくぞと
嘘ついたら、また、「キャーッ」と大声を出した。


食後の感想は、
「ナマコがこんなにうまいものとは知らなかった」
「殻つきの牡蠣なんて初めて食べた。最高!」
そう、それが本当の牡蠣、
それが本当のナマコなんだよ。
ウニは、チビチビ食べちゃだめ。
ガバッと食べなよ。
「食べました。うまああああ!」
「ウニ丼にしてガバッ。わああああ、もうだめ!
「軍艦巻き、うますぎぃ!でも、もったいないよおおおお」
ウニはさ、そうやって豪快に食べるのよ。
チビチビ食べてたら、ニンゲンが小さくなっちゃうの。
ほんとだよ。