自給自足・半農半漁・晴耕雨読の物語 |
||
自給自足で |
||
|
||
63 煙突掃除 (薪風呂の煙突) ☆ わが家の風呂は、 蛇口をひねっただけではお湯は出てこない。 いつまで待っても出てこない。 出るのは水だけ。 その水を湯船にためておいて かまどで薪をくべ、燃やす。 そうやってお湯を沸かす。 内風呂も、露天風呂もそう、薪風呂。 薪は山で伐ってくる。 たき付けも裏山で拾い集めてくる。 ガスも灯油も使わない。 それじゃ不便だろうと思われるかもしれませんが、 不便です。 でも、不便だけど、嫌じゃない。 風呂焚きは存外、楽しい仕事なのだ。 ☆ 蛇口をひねれば適温のお湯が出てくれる 近代的な風呂と違って、 薪風呂を沸かすにはそれなりのコツがいる。 慣れない人はまず、火を付けるのに手こずる。 都会から遊びに来た高校生や、大学生で お手上げ状態の者を何人も見ている。 太い薪にいきなりマッチで火を付けようとしても それは無理だっちゅうの。 着火剤はありませんかと聞く若者もいるけど、 そんなものはうちにはない。 ☆ 湯加減も見なくちゃいけないし、 ときどきは、煙突掃除もしなくちゃならない。 近頃、煙突掃除と言っても、 分かってもらえないので説明するけど、 煙を掃き出す筒状のものが煙突で、 その煙突の中には煤(すす=煙とほこりとが かたまったもの)がたまるので、それを掃除するのが 煙突掃除です。 ☆ なに、分からない? 困ったね。 じゃ、こういえば分かるか。 人間の動脈の内壁にコレステロールが付着すると 血管が細くなったり詰まったりして 十分な血流が保てなくなり、心筋梗塞や脳卒中といった 病気になるよね。つまり動脈硬化というやつ。 これと同じでね、煙突の内側に煤がたまると 煙の流れが悪くなって、火が燃えにくくなるのよ。 だから、ときどき煙突の内側を掃除してやる 必要があるってわけ。 ☆ 裏山から竹を切ってきて、竹ぼうきみたいなもの (分かるかな?)をつくって棒の部分には細く割った 長い竹を取り付けて、それを煙突の中に突っ込んで 上下させながら掃除をするの。 分からなかったら、こんどやらせるから。 ☆ すると、こんなに煤が落ちてくる。 この箱に2杯。 約1年間でこれだけの煤が溜まるんだよね。 その煤はどうするんだって? 何の役にも立たないから、 コレ、捨テローる。 |