自給自足・半農半漁・晴耕雨読の物語
自給自足で


69 門松づくり (しめかざり)

毎年、暮れになると裏の竹林へ竹を切りに行く。
門松をつくるのだ。
太いヤツを2本伐ってくる。
海岸へ行って松の枝も切ってくる。
松には男松と女松があるが、男松を使う。
庭の梅の枝も切る。
これで松竹梅。
ほかに、ゆずりは、うらじろ、だいだい、南天
なども揃える。
あとは、自分流で考えたもので、
ダンボール箱2個と砂2袋とビニールのゴミ袋を2枚。

ダンボールを切り貼りして筒状にし、それに
ゴミ袋を広げ、そのなかに砂を入れ、
周囲に竹を並べて結ぶ。
これが土台で、そのなかに結んだ3本の竹を立て、
そのまわりに松や梅などを好きなように配置する。
生け花のように砂に突き刺して形をつくる。
最後にだいだいをくくりつけて出来上がり。


しめかざりのほうがワザがいる。
まず、稲わらを2束用意する。
これは秋の収穫時にそれ用にとっておいた
きれいなものを使う。
その稲わらをすいて薄い皮を剥ぎ取り
さらにきれいなものだけに揃える。
それを木槌でよく叩いて柔らかくし、
編んでいく。
編み方は左なえ。
普通の縄などは右なえだが、
神事に使うものは左になう。
普通の縄なら両手に挟んでなえるが、
わらの量が多いので片方ずつ順繰りに
編んでいかないとできない。
両手両足を上手に使う。

門松もしめかざりも、
山から下りてくる年神様が道に迷わない
ように目印として立てるもの。
大晦日は一夜飾り、29日は「苦」に
通じるのでさけ、松の内が終わる
1月7日にしまう。
近頃は、門松を立てる家もほとんどなく、
門松の絵が描かれた紙をぺたんと貼って
おしまい。
しめかざりも、スーパーで買ってきて
すませる。
つまらなくなった。