平成16年11月2日 Vol 115
よかさ!
こんどは歌手デビュー。
 頼まれたら嫌と言わない。来る者は拒まない。
 この頃は、そう決めている。以前は違った。嫌なことは断り、嫌な人ははっきりと拒んだ。
 だから、昔はテレビ出演も断ったし、講演の依頼があっても何だかんだ言い訳をしては逃げていた。もっとも、今年になってまた、テレビだけはお断りしているが。
 そういうわけで、町からナントカ委員になってと言われればハイと返事をし、高校や大学や他の町から講演をしてくれと頼まれれば飛んで行き、エッセイ教室の先生にも、区長にもなり、慣れないこと、苦手なこともやっている。どこへでも顔を出すので、なかには出たがりなやっちゃなあとさげすんでいる人もいるかもしれなが、そう、ただの出たがり屋なんです。
 それでです。こんどは、超びっくり。「唄ってください」という依頼が飛び込んだのです。
 歌ですよ、歌。大勢の前で唄えと言うんです。
 その前に、公開討論会のようなものをやり、これは琴海町の町長と、アメリカだかカナダだかから移り住んだ外国人と、父ちゃんの三名で、「琴海町を語る」というようなテーマで鼎談をやって、そのあとでそれぞれが歌を唄うんだそうです。なんで歌を唄うのかそれは分からないのですが、とにかくそういうことらしい。バックにはコーラスもつくという。
 何の歌かはこれから決めるということだけど、真面目な集まりみたいだから、まさか、「兄弟船」とか、「さざんかの宿」とかではないでしょう。カラオケ大会じゃないんだからさ。
 「オオソレミオ」かなんかだったらちょっと困るけど、それもないだろう。まあ、いいところ、「ふるさと」とか、「赤とんぼ」といったところでしょう。
 頼まれたら嫌と言わないと決めた手前、「ハイ、やります」と返事しちゃいましたよ。バカですねえ、ホント。何も考えてないですね。
 でね、バカなのに2、3日前から風邪を引いたらしくて、扁桃腺が腫れてのどが痛い。だからきょう、イソジンと、のどごしのいいビールを買いに行きましたよ。歌手はのどが命ですからね。
 
ご迷惑をおかけしました。
 こないだは、どーもすみません。ちょいと留守にして心配をかけてしまいました。
 いや、たまには都会の空気でも吸おうと思いましてね、3、4日、旅に出たってやつで。ホームページの片隅に留守の知らせを入れといたんですが、何かの手違いで入ってなかった。いきなり3日も4日も更新がないので、こりゃ台風に家を飛ばされて下敷きになっちゃったとか、土石流に流されてどこかに埋まっちゃったんじゃねえかとか、まあ、なかには喜んだ奴もいるみたいだけど、心配してくれたひともいる。帰ってきたら、メールがいっぱい入ってた。
 実は東京へ行ってたんで。昼間っから新宿の末広亭で落語を聞いてた。
 ひとが心配してりゃあ、なんだい、落語かよと怒るのはごもっとも。あたしもね、こないだ伊豆で台風が大暴れしたとき、伊東に住んでるダチ公に電話しました。何度かけても出ないから、メールも打った。それでも返事が来ない。3日ほどしたら返事が来て、「わりい、悪い、長野の温泉に行ってた」だって。
 ま、落語は昔っから好きで、末広にもよく通ってた。たまたま、新宿でピカソ展をやってたんでそれを観て、そのあとふらふらほっつき歩いてたら伊勢丹の前に出て、末広を思い出しちゃった。で、飛び込んだら、「この天気がいいのに落語なんか聞きに来る暇な人がいるんですね」かなんか、こせんが言ってましたよ。こせんなんかまだ生きてたんですね。金馬もいました。
 末広で3時間ほど笑って、本條くんの事務所に顔を出すと、「金子さーん、ひさしぶりぃー、元気でしたぁー。ワインでも飲みに行きましょうかぁー」。で、その晩はどこをどう歩いたか覚えてなくて、翌朝気が付いたら横浜の見覚えのある部屋にいた。買ったばかりの帽子がなくなってました。
 それから、高校時代からのトモダチの石綿に電話したらいるというんで訪ねた。ケーキでも手みやげにと思ったけど朝早くてどこも店は開いてない。経堂駅は40年前とはすっかり変わってて、それでもなんとなく昔の面影もあって、ふらふら歩いてたら、いきなり、「金子さん!」と妙齢のご婦人に声を掛けられた。さて、これから話はおもしろくなるんだけど、おあとがよろしいようで…。テケテンテン。

ミカン大不作。
 ことしは、ミカンがぜんぜんなってません。裏年の上、台風にもやられ、見たところ去年の1割か2割くらいしかない感じです。したがって、多分、お一人様1箱限定でお願いすることになりそうです。すみません。
 なーに、こちとら採る手間が省けてラクでいいやなどと、外では強がり言ってますが、陰では布団かぶって泣いているんでござんすよ。